障害者自立支援法

目次

 第一章   総則(第一条―第五条)
 第二章   自立支援給付

  第一節   通則(第六条―第十四条)
  第二節   介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費、特例訓練等給付費、サービス利用計画作成費、高額障害福祉サービス費、特定障害者特別給付費及び特例特定障害者特別給付費の支給

   第一款   市町村審査会(第十五条―第十八条)
   第二款   支給決定等(第十九条―第二十七条)
   第三款   介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費及び特例訓練等給付費の支給(第二十八条―第三十一条)
   第四款   サービス利用計画作成費、高額障害福祉サービス費、特定障害者特別給付費及び特例特定障害者特別給付費の支給(第三十二条―第三十五条)
   第五款   指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設等及び指定相談支援事業者(第三十六条―第五十一条)

  第三節   自立支援医療費、療養介護医療費及び基準該当療養介護医療費の支給(第五十二条―第七十五条)
  第四節   補装具費の支給(第七十六条)

 第三章   地域生活支援事業(第七十七条・第七十八条)
 第四章   事業及び施設(第七十九条―第八十六条)
 第五章   障害福祉計画(第八十七条―第九十一条)
 第六章   費用(第九十二条―第九十六条)
 第七章   審査請求(第九十七条―第百五条)
 第八章   雑則(第百六条―第百八条)
 第九章   罰則(第百九条―第百十五条)

 附則



 第一章
 
総則

  (目的)

一条 この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的理念にのっとり、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)、知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)その他障害者及び障害児の福祉に関する法律と相まって、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

  (市町村等の責務)

二条 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、この法律の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
 障害者が自ら選択した場所に居住し、又は障害者若しくは障害児(以下「障害者等」という。)がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、当該市町村の区域における障害者等の生活の実態を把握した上で、公共職業安定所その他の職業リハビリテーション(障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第二条第七号に規定する職業リハビリテーションをいう。第四十二条第一項において同じ。)の措置を実施する機関、教育機関その他の関係機関との緊密な連携を図りつつ、必要な自立支援給付及び地域生活支援事業を総合的かつ計画的に行うこと。
 障害者等の福祉に関し、必要な情報の提供を行い、並びに相談に応じ、必要な調査及び指導を行い、並びにこれらに付随する業務を行うこと。
 意思疎通について支援が必要な障害者等が障害福祉サービスを円滑に利用することができるよう必要な便宜を供与すること、障害者等に対する虐待の防止及びその早期発見のために関係機関と連絡調整を行うことその他障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行うこと。
 都道府県は、この法律の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
 市町村が行う自立支援給付及び地域生活支援事業が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言、情報の提供その他の援助を行うこと。
 市町村と連携を図りつつ、必要な自立支援医療費の支給及び地域生活支援事業を総合的に行うこと。
 市町村と連携を図りつつ、必要な自立支援医療費の支給及び地域生活支援事業を総合的に行うこと。
 市町村と連携を図りつつ、必要な自立支援医療費の支給及び地域生活支援事業を総合的に行うこと。
 市町村と協力して障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行うとともに、市町村が行う障害者等の権利の擁護のために必要な援助が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言、情報の提供その他の援助を行うこと。
 国は、市町村及び都道府県が行う自立支援給付、地域生活支援事業その他この法律に基づく業務が適正かつ円滑に行われるよう、市町村及び都道府県に対する必要な助言、情報の提供その他の援助を行わなければならない。

  (国民の責務)

三条 すべての国民は、その障害の有無にかかわらず、障害者等がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営めるような地域社会の実現に協力するよう努めなければならない。

  (定義)

四条 この法律において「障害者」とは、身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者、知的障害者福祉法にいう知的障害者のうち十八歳以上である者及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五条に規定する精神障害者(知的障害者福祉法にいう知的障害者を除く。以下「精神障害者」という。)のうち十八歳以上である者をいう。
 この法律において「障害児」とは、児童福祉法第四条第二項に規定する障害児及び精神障害者のうち十八歳未満である者をいう。
 この法律において「保護者」とは、児童福祉法第六条に規定する保護者をいう。
 この法律において「障害程度区分」とは、障害者等に対する障害福祉サービスの必要性を明らかにするため当該障害者等の心身の状態を総合的に示すものとして厚生労働省令で定める区分をいう。

五条 この法律において「障害福祉サービス」とは、居宅介護、重度訪問介護、行動援護、療養介護、生活介護、児童デイサービス、短期入所、重度障害者等包括支援、共同生活介護、施設入所支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援及び共同生活援助をいい、「障害福祉サービス事業」とは、障害福祉サービス(障害者支援施設、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成十四年法律第百六十七号)第十一条第一号の規定により独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設(以下「のぞみの園」という。)その他厚生労働省令で定める施設において行われる施設障害福祉サービス(施設入所支援及び厚生労働省令で定める障害福祉サービスをいう。以下同じ。)を除く。)を行う事業をいう。
 この法律において「居宅介護」とは、障害者等につき、居宅において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
 この法律において「重度訪問介護」とは、重度の肢体不自由者であって常時介護を要する障害者につき、居宅における入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜及び外出時における移動中の介護を総合的に供与することをいう。
 この法律において「行動援護」とは、知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要するものにつき、当該障害者等が行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
 この法律において「療養介護」とは、医療を要する障害者であって常時介護を要するものとして厚生労働省令で定めるものにつき、主として昼間において、病院その他の厚生労働省令で定める施設において行われる機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び日常生活上の世話の供与をいい、「療養介護医療」とは、療養介護のうち医療に係るものをいう。
 この法律において「生活介護」とは、常時介護を要する障害者として厚生労働省令で定める者につき、主として昼間において、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設において行われる入浴、排せつ又は食事の介護、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
 この法律において「児童デイサービス」とは、障害児につき、児童福祉法第四十三条の三に規定する肢体不自由児施設その他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、日常生活における基本的な動作の指導、集団生活への適応訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
 この法律において「短期入所」とは、居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設への短期間の入所を必要とする障害者等につき、当該施設に短期間の入所をさせ、入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
 この法律において「重度障害者等包括支援」とは、常時介護を要する障害者等であって、その介護の必要の程度が著しく高いものとして厚生労働省令で定めるものにつき、居宅介護その他の厚生労働省令で定める障害福祉サービスを包括的に提供することをいう。
10  この法律において「共同生活介護」とは、障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
11  この法律において「施設入所支援」とは、その施設に入所する障害者につき、主として夜間において、入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
12  この法律において「障害者支援施設」とは、障害者につき、施設入所支援を行うとともに、施設入所支援以外の施設障害福祉サービスを行う施設(のぞみの園及び第一項の厚生労働省令で定める施設を除く。)をいう。
13  この法律において「自立訓練」とは、障害者につき、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、厚生労働省令で定める期間にわたり、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
14  この法律において「就労移行支援」とは、就労を希望する障害者につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
15  この法律において「就労継続支援」とは、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
16  この法律において「共同生活援助」とは、地域において共同生活を営むのに支障のない障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談その他の日常生活上の援助を行うことをいう。
17  この法律において「相談支援」とは、次に掲げる便宜の供与のすべてを行うことをいい、「相談支援事業」とは、相談支援を行う事業をいう。
 地域の障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等、障害児の保護者又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行い、併せてこれらの者と市町村及び第二十九条第二項に規定する指定障害福祉サービス事業者等との連絡調整その他の厚生労働省令で定める便宜を総合的に供与すること。
 第十九条第一項の規定により同項に規定する支給決定を受けた障害者又は障害児の保護者(以下「支給決定障害者等」という。)が障害福祉サービスを適切に利用することができるよう、当該支給決定障害者等の依頼を受けて、当該支給決定に係る障害者等の心身の状況、その置かれている環境、障害福祉サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案し、利用する障害福祉サービスの種類及び内容、これを担当する者その他の厚生労働省令で定める事項を定めた計画(以下この号において「サービス利用計画」という。)を作成するとともに、当該サービス利用計画に基づく障害福祉サービスの提供が確保されるよう、第二十九条第二項に規定する指定障害福祉サービス事業者等その他の者との連絡調整その他の便宜を供与すること。
18  この法律において「自立支援医療」とは、障害者等につき、その心身の障害の状態の軽減を図り、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療であって政令で定めるものをいう。
19  この法律において「補装具」とは、障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、長期間にわたり継続して使用されるものその他の厚生労働省令で定める基準に該当するものとして、義肢、装具、車いすその他の厚生労働大臣が定めるものをいう。
20  この法律において「移動支援事業」とは、障害者等が円滑に外出することができるよう、障害者等の移動を支援する事業をいう。
21  この法律において「地域活動支援センター」とは、障害者等を通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する施設をいう。
22  この法律において「福祉ホーム」とは、現に住居を求めている障害者につき、低額な料金で、居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜を供与する施設をいう。


   第二章   自立支援給付

    第一節   通則

  (自立支援給付)

六条 自立支援給付は、介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費、特例訓練等給付費、サービス利用計画作成費、高額障害福祉サービス費、特定障害者特別給付費、特例特定障害者特別給付費、自立支援医療費、療養介護医療費、基準該当療養介護医療費及び補装具費の支給とする。

  (他の法令による給付との調整)

七条 自立支援給付は、当該障害の状態につき、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定による介護給付、健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による療養の給付その他の法令に基づく給付であって政令で定めるもののうち自立支援給付に相当するものを受けることができるときは政令で定める限度において、当該政令で定める給付以外の給付であって国又は地方公共団体の負担において自立支援給付に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。

  (不正利得の徴収)

八条 市町村(政令で定める医療に係る自立支援医療費の支給に関しては、都道府県とする。以下「市町村等」という。)は、偽りその他不正の手段により自立支援給付を受けた者があるときは、その者から、その自立支援給付の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
 市町村等は、第二十九条第二項に規定する指定障害福祉サービス事業者等、第三十二条第一項に規定する指定相談支援事業者又は第五十四条第二項に規定する指定自立支援医療機関(以下この項において「事業者等」という。)が、偽りその他不正の行為により介護給付費、訓練等給付費、サービス利用計画作成費、特定障害者特別給付費、自立支援医療費又は療養介護医療費の支給を受けたときは、当該事業者等に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に百分の四十を乗じて得た額を支払わせることができる。
 前二項の規定による徴収金は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十一条の三第三項に規定する法律で定める歳入とする。

  (報告等)

九条 市町村等は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、障害者等、障害児の保護者、障害者等の配偶者若しくは障害者等の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらの者であった者に対し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
 前項の規定による質問を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

十条 市町村等は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、当該自立支援給付に係る障害福祉サービス、相談支援、自立支援医療、療養介護医療若しくは補装具の販売若しくは修理(以下「自立支援給付対象サービス等」という。)を行う者若しくはこれらを使用する者若しくはこれらの者であった者に対し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該自立支援給付対象サービス等の事業を行う事業所若しくは施設に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 前条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

  (厚生労働大臣又は都道府県知事の自立支援給付対象サービス等に関する調査等)

十一条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、自立支援給付に係る障害者等若しくは障害児の保護者又はこれらの者であった者に対し、当該自立支援給付に係る自立支援給付対象サービス等の内容に関し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
 厚生労働大臣又は都道府県知事は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、自立支援給付対象サービス等を行った者若しくはこれらを使用した者に対し、その行った自立支援給付対象サービス等に関し、報告若しくは当該自立支援給付対象サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させることができる。
 第九条第二項の規定は前二項の規定による質問について、同条第三項の規定は前二項の規定による権限について準用する。

  (資料の提供等)

十二条 市町村等は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、障害者等、障害児の保護者、障害者等の配偶者又は障害者等の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者の資産又は収入の状況につき、官公署に対し必要な文書の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは障害者の雇用主その他の関係人に報告を求めることができる。

  (受給権の保護)

十三条 自立支援給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

  (租税その他の公課の禁止)

十四条 租税その他の公課は、自立支援給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。



    第二節   介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費、特例訓練等給付費、サービス利用計画作成費、高額障害福祉サービス費、特定障害者特別給付費及び特例特定障害者特別給付費の支給



     第一款   市町村審査会

  (市町村審査会)

十五条 第二十六条第二項に規定する審査判定業務を行わせるため、市町村に第十九条第一項に規定する介護給付費等の支給に関する審査会(以下「市町村審査会」という。)を置く。

  (委員)

十六条 市町村審査会の委員の定数は、政令で定める基準に従い条例で定める数とする。
 委員は、障害者等の保健又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が任命する。

  (共同設置の支援)

十七条 都道府県は、市町村審査会について地方自治法第二百五十二条の七第一項の規定による共同設置をしようとする市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができる。
 都道府県は、市町村審査会を共同設置した市町村に対し、その円滑な運営が確保されるように必要な技術的な助言その他の援助をすることができる。

  (政令への委任)

十八条 この法律に定めるもののほか、市町村審査会に関し必要な事項は、政令で定める。



     第二款   支給決定等

  (介護給付費等の支給決定)

十九条 介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費又は特例訓練等給付費(以下「介護給付費等」という。)の支給を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、市町村の介護給付費等を支給する旨の決定(以下「支給決定」という。)を受けなければならない。
 支給決定は、障害者又は障害児の保護者の居住地の市町村が行うものとする。ただし、障害者又は障害児の保護者が居住地を有しないとき、又は明らかでないときは、その障害者又は障害児の保護者の現在地の市町村が行うものとする。
 前項の規定にかかわらず、第二十九条第一項若しくは第三十条第一項の規定により介護給付費等の支給を受けて又は身体障害者福祉法第十八条第二項若しくは知的障害者福祉法第十六条第一項の規定により入所措置が採られて障害者支援施設、のぞみの園又は第五条第一項若しくは第五項の厚生労働省令で定める施設に入所している障害者及び生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第三十条第一項ただし書の規定により入所している障害者(以下この項において「特定施設入所障害者」と総称する。)については、その者が障害者支援施設、のぞみの園、第五条第一項若しくは第五項の厚生労働省令で定める施設又は同法第三十条第一項ただし書に規定する施設(以下「特定施設」という。)への入所前に有した居住地(継続して二以上の特定施設に入所している特定施設入所障害者(以下この項において「継続入所障害者」という。)については、最初に入所した特定施設への入所前に有した居住地)の市町村が、支給決定を行うものとする。ただし、特定施設への入所前に居住地を有しないか、又は明らかでなかった特定施設入所障害者については、入所前におけるその者の所在地(継続入所障害者については、最初に入所した特定施設の入所前に有した所在地)の市町村が、支給決定を行うものとする。
 前項の規定の適用を受ける障害者が入所している特定施設は、当該特定施設の所在する市町村及び当該障害者に対し支給決定を行う市町村に、必要な協力をしなければならない。

  (申請)

二十条 支給決定を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に申請をしなければならない。
 市町村は、前項の申請があったときは、次条第一項及び第二十二条第一項の規定により障害程度区分の認定及び同項に規定する支給要否決定を行うため、厚生労働省令で定めるところにより、当該職員をして、当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者に面接をさせ、その心身の状況、その置かれている環境その他厚生労働省令で定める事項について調査をさせるものとする。この場合において、市町村は、当該調査を第三十二条第一項に規定する指定相談支援事業者その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「指定相談支援事業者等」という。)に委託することができる。
 前項後段の規定により委託を受けた指定相談支援事業者等は、障害者等の保健又は福祉に関する専門的知識及び技術を有するものとして厚生労働省令で定める者に当該委託に係る調査を行わせるものとする。
 第二項後段の規定により委託を受けた指定相談支援事業者等の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下同じ。)若しくは前項の厚生労働省令で定める者又はこれらの職にあった者は、正当な理由なしに、当該委託業務に関して知り得た個人の秘密を漏らしてはならない。
 第二項後段の規定により委託を受けた指定相談支援事業者等の役員又は第三項の厚生労働省令で定める者で、当該委託業務に従事するものは、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
 第二項の場合において、市町村は、当該障害者等又は障害児の保護者が遠隔の地に居住地又は現在地を有するときは、当該調査を他の市町村に嘱託することができる。

  (障害程度区分の認定)

二十一条 市町村は、前条第一項の申請があったときは、政令で定めるところにより、市町村審査会が行う当該申請に係る障害者等の障害程度区分に関する審査及び判定の結果に基づき、障害程度区分の認定を行うものとする。
 市町村審査会は、前項の審査及び判定を行うに当たって必要があると認めるときは、当該審査及び判定に係る障害者等、その家族、医師その他の関係者の意見を聴くことができる。

  (支給要否決定等)

二十二条 市町村は、第二十条第一項の申請に係る障害者等の障害程度区分、当該障害者等の介護を行う者の状況、当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して介護給付費等の支給の要否の決定(以下この条及び第二十七条において「支給要否決定」という。)を行うものとする。
 市町村は、支給要否決定を行うに当たって必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村審査会又は身体障害者福祉法第九条第六項に規定する身体障害者更生相談所(第七十四条及び第七十六条第三項において「身体障害者更生相談所」という。)、知的障害者福祉法第九条第五項に規定する知的障害者更生相談所、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第六条第一項に規定する精神保健福祉センター若しくは児童相談所(以下「身体障害者更生相談所等」と総称する。)その他厚生労働省令で定める機関の意見を聴くことができる。
 市町村審査会、身体障害者更生相談所等又は前項の厚生労働省令で定める機関は、同項の意見を述べるに当たって必要があると認めるときは、当該支給要否決定に係る障害者等、その家族、医師その他の関係者の意見を聴くことができる。
 市町村は、支給決定を行う場合には、障害福祉サービスの種類ごとに月を単位として厚生労働省令で定める期間において介護給付費等を支給する障害福祉サービスの量(以下「支給量」という。)を定めなければならない。
 市町村は、支給決定を行ったときは、当該支給決定障害者等に対し、厚生労働省令で定めるところにより、支給量その他の厚生労働省令で定める事項を記載した障害福祉サービス受給者証(以下「受給者証」という。)を交付しなければならない。

  (支給決定の有効期間)

二十三条 支給決定は、厚生労働省令で定める期間(以下「支給決定の有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。

  (支給決定の変更)

二十四条 支給決定障害者等は、現に受けている支給決定に係る障害福祉サービスの種類、支給量その他の厚生労働省令で定める事項を変更する必要があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に対し、当該支給決定の変更の申請をすることができる。
 市町村は、前項の申請又は職権により、第二十二条第一項の厚生労働省令で定める事項を勘案し、支給決定障害者等につき、必要があると認めるときは、支給決定の変更の決定を行うことができる。この場合において、市町村は、当該決定に係る支給決定障害者等に対し受給者証の提出を求めるものとする。
 第十九条(第一項を除く。)、第二十条(第一項を除く。)及び第二十二条(第一項を除く。)の規定は、前項の支給決定の変更の決定について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 市町村は、第二項の支給決定の変更の決定を行うに当たり、必要があると認めるときは、障害程度区分の変更の認定を行うことができる。
 第二十一条の規定は、前項の障害程度区分の変更の認定について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 市町村は、第二項の支給決定の変更の決定を行った場合には、受給者証に当該決定に係る事項を記載し、これを返還するものとする。

  (支給決定の取消し)

二十五条 支給決定を行った市町村は、次に掲げる場合には、当該支給決定を取り消すことができる。
 支給決定に係る障害者等が、第二十九条第一項に規定する指定障害福祉サービス等及び第三十条第一項第二号に規定する基準該当障害福祉サービスを受ける必要がなくなったと認めるとき。
 支給決定障害者等が、支給決定の有効期間内に、当該市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至ったと認めるとき(支給決定に係る障害者が特定施設に入所することにより当該市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至ったと認めるときを除く。)。
 支給決定に係る障害者等又は障害児の保護者が、正当な理由なしに第二十条第二項(前条第三項において準用する場合を含む。)の規定による調査に応じないとき。
 その他政令で定めるとき。
 前項の規定により支給決定の取消しを行った市町村は、厚生労働省令で定めるところにより、当該取消しに係る支給決定障害者等に対し受給者証の返還を求めるものとする。

  (都道府県による援助等)

二十六条 都道府県は、市町村の求めに応じ、市町村が行う第十九条から第二十二条まで、第二十四条及び前条の規定による業務に関し、その設置する身体障害者更生相談所等による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助を行うものとする。
 地方自治法第二百五十二条の十四第一項の規定により市町村の委託を受けて審査判定業務(第二十一条(第二十四条第五項において準用する場合を含む。第四項において同じ。)並びに第二十二条第二項及び第三項(これらの規定を第二十四条第三項において準用する場合を含む。第四項において同じ。)の規定により市町村審査会が行う業務をいう。以下この条及び第九十五条第二項第一号において同じ。)を行う都道府県に、当該審査判定業務を行わせるため、介護給付費等の支給に関する審査会(以下「都道府県審査会」という。)を置く。
 第十六条及び第十八条の規定は、前項の都道府県審査会について準用する。この場合において、第十六条第二項中「市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。
 審査判定業務を都道府県に委託した市町村について第二十一条並びに第二十二条第二項及び第三項の規定を適用する場合においては、これらの規定中「市町村審査会」とあるのは、「都道府県審査会」とする。

  (政令への委任)

二十七条 この款に定めるもののほか、障害程度区分に関する審査及び判定、支給決定、支給要否決定、受給者証、支給決定の変更の決定並びに支給決定の取消しに関し必要な事項は、政令で定める。

     第三款   介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費及び特例訓練等給付費の支給

  (介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費及び特例訓練等給付費の支給)

二十八条 介護給付費及び特例介護給付費の支給は、次に掲げる障害福祉サービスに関して次条及び第三十条の規定により支給する給付とする。
 居宅介護
 重度訪問介護
 行動援護
 療養介護(医療に係るものを除く。)
 生活介護
 児童デイサービス
 短期入所
 重度障害者等包括支援
 共同生活介護
 施設入所支援
 訓練等給付費及び特例訓練等給付費の支給は、次に掲げる障害福祉サービスに関して次条及び第三十条の規定により支給する給付とする。
 自立訓練
 就労移行支援
 就労継続支援
 共同生活援助

  (介護給付費又は訓練等給付費)

二十九条 市町村は、支給決定障害者等が、支給決定の有効期間内において、都道府県知事が指定する障害福祉サービス事業を行う者(以下「指定障害福祉サービス事業者」という。)若しくは障害者支援施設(以下「指定障害者支援施設」という。)から当該指定に係る障害福祉サービス(以下「指定障害福祉サービス」という。)を受けたとき、又はのぞみの園から施設障害福祉サービスを受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該支給決定障害者等に対し、当該指定障害福祉サービス又は施設障害福祉サービス(支給量の範囲内のものに限る。以下「指定障害福祉サービス等」という。)に要した費用(食事の提供に要する費用、居住若しくは滞在に要する費用その他の日常生活に要する費用又は創作的活動若しくは生産活動に要する費用のうち厚生労働省令で定める費用(以下「特定費用」という。)を除く。)について、介護給付費又は訓練等給付費を支給する。
 指定障害福祉サービス等を受けようとする支給決定障害者等は、厚生労働省令で定めるところにより、指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設又はのぞみの園(以下「指定障害福祉サービス事業者等」という。)に受給者証を提示して当該指定障害福祉サービス等を受けるものとする。ただし、緊急の場合その他やむを得ない事由のある場合については、この限りでない。
 介護給付費又は訓練等給付費の額は、障害福祉サービスの種類ごとに指定障害福祉サービス等に通常要する費用(特定費用を除く。)につき、厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に指定障害福祉サービス等に要した費用の額)の百分の九十に相当する額とする。
 支給決定障害者等が同一の月に受けた指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)の額の合計額から、前項の規定により算定された当該同一の月における介護給付費及び訓練等給付費の合計額を控除して得た額が、当該支給決定障害者等の家計に与える影響その他の事情をしん酌して政令で定める額を超えるときは、同項の規定にかかわらず、当該同一の月における介護給付費又は訓練等給付費の額は、同項の規定により算定した費用の額の百分の九十に相当する額を超え百分の百に相当する額以下の範囲内において政令で定める額とする。
 支給決定障害者等が指定障害福祉サービス事業者等から指定障害福祉サービス等を受けたときは、市町村は、当該支給決定障害者等が当該指定障害福祉サービス事業者等に支払うべき当該指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)について、介護給付費又は訓練等給付費として当該支給決定障害者等に支給すべき額の限度において、当該支給決定障害者等に代わり、当該指定障害福祉サービス事業者等に支払うことができる。
 前項の規定による支払があったときは、支給決定障害者等に対し介護給付費又は訓練等給付費の支給があったものとみなす。
 市町村は、指定障害福祉サービス事業者等から介護給付費又は訓練等給付費の請求があったときは、第三項の厚生労働大臣が定める基準及び第四十三条第二項の厚生労働省令で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準(指定障害福祉サービスの取扱いに関する部分に限る。)又は第四十四条第二項の厚生労働省令で定める指定障害者支援施設等の設備及び運営に関する基準(施設障害福祉サービスの取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査の上、支払うものとする。
 市町村は、前項の規定による支払に関する事務を国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)に委託することができる。
 前各項に定めるもののほか、介護給付費及び訓練等給付費の支給並びに指定障害福祉サービス事業者等の介護給付費及び訓練等給付費の請求に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

  (特例介護給付費又は特例訓練等給付費)

三十条 市町村は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該指定障害福祉サービス等又は第二号に規定する基準該当障害福祉サービス(支給量の範囲内のものに限る。)に要した費用(特定費用を除く。)について、特例介護給付費又は特例訓練等給付費を支給することができる。
 支給決定障害者等が、第二十条第一項の申請をした日から当該支給決定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により指定障害福祉サービス等を受けたとき。
 支給決定障害者等が、指定障害福祉サービス等以外の障害福祉サービス(次に掲げる事業所又は施設により行われるものに限る。以下「基準該当障害福祉サービス」という。)を受けたとき。
 第四十三条第一項の厚生労働省令で定める基準又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準に定める事項のうち厚生労働省令で定めるものを満たすと認められる事業を行う事業所(以下「基準該当事業所」という。)
 第四十四条第一項の厚生労働省令で定める基準又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定障害者支援施設等の設備及び運営に関する基準に定める事項のうち厚生労働省令で定めるものを満たすと認められる施設(以下「基準該当施設」という。)
 その他政令で定めるとき。
 特例介護給付費又は特例訓練等給付費の額は、当該指定障害福祉サービス等については前条第三項の厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に指定障害福祉サービス等に要した費用の額)の百分の九十に相当する額を、当該基準該当障害福祉サービスについては障害福祉サービスの種類ごとに基準該当障害福祉サービスに通常要する費用(特定費用を除く。)につき厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該基準該当障害福祉サービスに要した費用(特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に基準該当障害福祉サービスに要した費用の額)の百分の九十に相当する額をそれぞれ基準として、市町村が定める。
 前二項に定めるもののほか、特例介護給付費及び特例訓練等給付費の支給に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

  (介護給付費等の額の特例)

三十一条 市町村が、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより、障害福祉サービスに要する費用を負担することが困難であると認めた支給決定障害者等が受ける次の各号に掲げる介護給付費等の支給について当該各号に定める規定を適用する場合においては、これらの規定中「百分の九十」とあるのは、「百分の九十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」とする。
 介護給付費又は訓練等給付費の支給 第二十九条第三項
 特例介護給付費又は特例訓練等給付費の支給 前条第二項

     第四款   サービス利用計画作成費、高額障害福祉サービス費、特定障害者特別給付費及び特例特定障害者特別給付費の支給

  (サービス利用計画作成費の支給)

三十二条 市町村は、支給決定障害者等であって、厚生労働省令で定める数以上の種類の障害福祉サービス(施設入所支援を除く。)を利用するものその他厚生労働省令で定めるもののうち市町村が必要と認めたもの(以下この条において「計画作成対象障害者等」という。)が、都道府県知事が指定する相談支援事業を行う者(以下「指定相談支援事業者」という。)から当該指定に係る相談支援(第五条第十七項第二号に掲げる便宜の供与に限る。以下「指定相談支援」という。)を受けたときは、当該計画作成対象障害者等に対し、当該指定相談支援に要した費用について、サービス利用計画作成費を支給する。
 サービス利用計画作成費の額は、指定相談支援に通常要する費用につき、厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定相談支援に要した費用の額を超えるときは、当該現に指定相談支援に要した費用の額)とする。
 計画作成対象障害者等が指定相談支援事業者から指定相談支援を受けたときは、市町村は、当該計画作成対象障害者等が当該指定相談支援事業者に支払うべき当該指定相談支援に要した費用について、サービス利用計画作成費として当該計画作成対象障害者等に対し支給すべき額の限度において、当該計画作成対象障害者等に代わり、当該指定相談支援事業者に支払うことができる。
 前項の規定による支払があったときは、計画作成対象障害者等に対しサービス利用計画作成費の支給があったものとみなす。
 市町村は、指定相談支援事業者からサービス利用計画作成費の請求があったときは、第二項の厚生労働大臣が定める基準及び第四十五条第二項の厚生労働省令で定める指定相談支援の事業の運営に関する基準(指定相談支援の取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査の上、支払うものとする。
 市町村は、前項の規定による支払に関する事務を連合会に委託することができる。
 前各項に定めるもののほか、サービス利用計画作成費の支給及び指定相談支援事業者のサービス利用計画作成費の請求に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

  (高額障害福祉サービス費の支給)

三十三条 市町村は、支給決定障害者等が受けた障害福祉サービス及び介護保険法第二十四条第二項に規定する介護給付等対象サービスのうち政令で定めるものに要した費用の合計額から当該費用につき支給された介護給付費等及び同法第二十条に規定する介護給付等のうち政令で定めるものの合計額を控除して得た額が、著しく高額であるときは、当該支給決定障害者等に対し、高額障害福祉サービス費を支給する。
 前項に定めるもののほか、高額障害福祉サービス費の支給要件、支給額その他高額障害福祉サービス費の支給に関し必要な事項は、障害福祉サービスに要する費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定める。

  (特定障害者特別給付費の支給)

三十四条 市町村は、施設入所支援その他の政令で定める障害福祉サービス(以下この項において「特定入所サービス」という。)に係る支給決定を受けた障害者のうち所得の状況その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定めるもの(以下この項及び次条第一項において「特定障害者」という。)が、支給決定の有効期間内において、指定障害者支援施設又はのぞみの園(以下「指定障害者支援施設等」という。)に入所し、当該指定障害者支援施設等から特定入所サービスを受けたときは、当該特定障害者に対し、当該指定障害者支援施設等における食事の提供に要した費用及び居住に要した費用(次条第一項において「特定入所費用」という。)について、政令で定めるところにより、特定障害者特別給付費を支給する。
 第二十九条第二項及び第五項から第八項までの規定は、特定障害者特別給付費の支給について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 前二項に定めるもののほか、特定障害者特別給付費の支給及び指定障害者支援施設等の特定障害者特別給付費の請求に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

  (特例特定障害者特別給付費の支給)

三十五条 市町村は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、特定障害者に対し、当該指定障害者支援施設等又は基準該当施設における特定入所費用について、政令で定めるところにより、特例特定障害者特別給付費を支給することができる。
 特定障害者が、第二十条第一項の申請をした日から当該支給決定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により指定障害福祉サービス等を受けたとき。
 特定障害者が、基準該当障害福祉サービスを受けたとき。
 前項に定めるもののほか、特例特定障害者特別給付費の支給に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
 前二項に定めるもののほか、特定障害者特別給付費の支給及び指定障害者支援施設等の特定障害者特別給付費の請求に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

     第五款   指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設等及び指定相談支援事業者

  (指定障害福祉サービス事業者の指定)

三十六条 第二十九条第一項の指定障害福祉サービス事業者の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、障害福祉サービス事業を行う者の申請により、障害福祉サービスの種類及び障害福祉サービス事業を行う事業所(以下この款において「サービス事業所」という。)ごとに行う。

 就労継続支援その他の厚生労働省令で定める障害福祉サービス(以下この条及び次条第一項において「特定障害福祉サービス」という。)に係る前項の申請は、当該特定障害福祉サービスの量を定めてするものとする。
 都道府県知事は、第一項の申請があった場合において、第一号から第三号まで、第五号から第七号まで、第九号又は第十号(療養介護に係る指定の申請にあっては、第二号から第十一号まで)のいずれかに該当するときは、指定障害福祉サービス事業者の指定をしてはならない。
 申請者が法人でないとき。
 当該申請に係るサービス事業所の従業者の知識及び技能並びに人員が、第四十三条第一項の厚生労働省令で定める基準を満たしていないとき。
 申請者が、第四十三条第二項の厚生労働省令で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な障害福祉サービス事業の運営をすることができないと認められるとき。
 申請者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
 申請者が、この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
 申請者が、第五十条第一項(同条第三項及び第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者(当該指定を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員又はそのサービス事業所を管理する者その他の政令で定める使用人(以下「役員等」という。)であった者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含み、当該指定を取り消された者が法人でない場合においては、当該通知があった日前六十日以内に当該者の管理者であった者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)であるとき。
 申請者が、第五十条第一項の規定による指定の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第四十六条第一項の規定による事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
 前号に規定する期間内に第四十六条第一項の規定による事業の廃止の届出があった場合において、申請者が、同号の通知の日前六十日以内に当該届出に係る法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員等又は当該届出に係る法人でない者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)の管理者であった者で、当該届出の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
 申請者が、指定の申請前五年以内に障害福祉サービスに関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき。
 申請者が、法人で、その役員等のうちに第四号から前号までのいずれかに該当する者のあるものであるとき。
十一  申請者が、法人でない者で、その管理者が第四号から第九号までのいずれかに該当する者であるとき。
 都道府県知事は、特定障害福祉サービスにつき第一項の申請があった場合において、当該都道府県又は当該申請に係るサービス事業所の所在地を含む区域(第八十九条第二項第一号の規定により都道府県が定める区域とする。)における当該申請に係る指定障害福祉サービスの量が、同条第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県障害福祉計画において定める当該都道府県若しくは当該区域の当該指定障害福祉サービスの必要な量に既に達しているか、又は当該申請に係る事業者の指定によってこれを超えることになると認めるとき、その他の当該都道府県障害福祉計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、第二十九条第一項の指定をしないことができる。

  (指定障害福祉サービス事業者の指定の変更)

三十七条 指定障害福祉サービス事業者(特定障害福祉サービスに係るものに限る。)は、第二十九条第一項の指定に係る障害福祉サービスの量を増加しようとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、当該指定障害福祉サービス事業者に係る同項の指定の変更を申請することができる。
 前条第三項及び第四項の規定は、前項の指定の変更の申請があった場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (指定障害者支援施設の指定)

三十八条 第二十九条第一項の指定障害者支援施設の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、障害者支援施設の設置者の申請により、施設障害福祉サービスの種類及び当該障害者支援施設の入所定員を定めて、行う。
 都道府県知事は、前項の申請があった場合において、当該都道府県における当該申請に係る指定障害者支援施設の入所定員の総数が、第八十九条第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県障害福祉計画において定める当該都道府県の当該指定障害者支援施設の必要入所定員総数に既に達しているか、又は当該申請に係る施設の指定によってこれを超えることになると認めるとき、その他の当該都道府県障害福祉計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、第二十九条第一項の指定をしないことができる。
 第三十六条第三項(第四号、第八号及び第十一号を除く。)の規定は、第二十九条第一項の指定障害者支援施設の指定について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (指定障害者支援施設の指定の変更)

三十九条 指定障害者支援施設の設置者は、第二十九条第一項の指定に係る施設障害福祉サービスの種類を変更しようとするとき、又は当該指定に係る入所定員を増加しようとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、当該指定障害者支援施設に係る同項の指定の変更を申請することができる。
 前条第二項及び第三項の規定は、前項の指定の変更の申請があった場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (指定相談支援事業者の指定)

四十条 第三十六条(第三項第四号、第八号及び第十一号を除く。)の規定は、第三十二条第一項の指定相談支援事業者の指定について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (指定の更新)

四十一条 第二十九条第一項の指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設の指定並びに第三十二条第一項の指定相談支援事業者の指定は、六年ごとにそれらの更新を受けなければ、その期間の経過によって、それらの効力を失う。
 前項の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この条において「指定の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の指定は、指定の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
 前項の場合において、指定の更新がされたときは、その指定の有効期間は、従前の指定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
 第三十六条、第三十八条及び前条の規定は、第一項の指定の更新について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設等の設置者及び指定相談支援事業者の責務)

四十二条 指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設等の設置者及び指定相談支援事業者(以下「指定事業者等」という。)は、障害者等がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、市町村、公共職業安定所その他の職業リハビリテーションの措置を実施する機関、教育機関その他の関係機関との緊密な連携を図りつつ、障害福祉サービス又は相談支援を当該障害者等の意向、適性、障害の特性その他の事情に応じ、効果的に行うように努めなければならない。
 指定事業者等は、その提供する障害福祉サービス又は相談支援の質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、障害福祉サービス又は相談支援の質の向上に努めなければならない。
 指定事業者等は、障害者等の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、障害者等のため忠実にその職務を遂行しなければならない。

  (指定障害福祉サービスの事業の基準)

四十三条 指定障害福祉サービス事業者は、当該指定に係るサービス事業所ごとに、厚生労働省令で定める基準に従い、当該指定障害福祉サービスに従事する従業者を有しなければならない。
 指定障害福祉サービス事業者は、厚生労働省令で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従い、指定障害福祉サービスを提供しなければならない。

  (指定障害者支援施設等の基準)

四十四条 指定障害者支援施設等の設置者は、厚生労働省令で定める基準に従い、施設障害福祉サービスに従事する従業者を有しなければならない。
 指定障害者支援施設等の設置者は、厚生労働省令で定める指定障害者支援施設等の設備及び運営に関する基準に従い、施設障害福祉サービスを提供しなければならない。

  (指定相談支援の事業の基準)

四十五条 指定相談支援事業者は、当該指定に係る相談支援事業を行う事業所(以下この款において「相談支援事業所」という。)ごとに、厚生労働省令で定める基準に従い、当該指定相談支援に従事する従業者を有しなければならない。
 指定相談支援事業者は、厚生労働省令で定める指定相談支援の事業の運営に関する基準に従い、指定相談支援を提供しなければならない。

  (変更の届出等)

四十六条 指定障害福祉サービス事業者又は指定相談支援事業者は、当該指定に係るサービス事業所又は相談支援事業所の名称及び所在地その他厚生労働省令で定める事項に変更があったとき、又は当該指定障害福祉サービス若しくは指定相談支援の事業を廃止し、休止し、若しくは再開したときは、厚生労働省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
 指定障害者支援施設の設置者は、設置者の住所その他の厚生労働省令で定める事項に変更があったときは、厚生労働省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

  (指定の辞退)

四十七条 指定障害者支援施設は、三月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。

  (報告等)

四十八条 都道府県知事又は市町村長は、必要があると認めるときは、指定障害福祉サービス事業者若しくは指定障害福祉サービス事業者であった者若しくは当該指定に係るサービス事業所の従業者であった者(以下この項において「指定障害福祉サービス事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、指定障害福祉サービス事業者若しくは当該指定に係るサービス事業所の従業者若しくは指定障害福祉サービス事業者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定障害福祉サービス事業者の当該指定に係るサービス事業所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 第九条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。
 前二項の規定は、指定障害者支援施設等について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 第一項及び第二項の規定は、指定相談支援事業者について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (勧告、命令等)

四十九条 都道府県知事は、指定障害福祉サービス事業者が、当該指定に係るサービス事業所の従業者の知識若しくは技能若しくは人員について第四十三条第一項の厚生労働省令で定める基準に適合しておらず、又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定障害福祉サービスの事業の運営をしていないと認めるときは、当該指定障害福祉サービス事業者に対し、期限を定めて、同条第一項の厚生労働省令で定める基準を遵守し、又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準を遵守すべきことを勧告することができる。
 都道府県知事は、指定障害者支援施設等の設置者が、当該指定に係る施設及びのぞみの園の従業者の知識若しくは技能若しくは人員について第四十四条第一項の厚生労働省令で定める基準に適合しておらず、又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定障害者支援施設等の設備及び運営に関する基準に従って適正な施設障害福祉サービスの事業の運営をしていないと認めるときは、当該指定障害者支援施設等の設置者に対し、期限を定めて、同条第一項の厚生労働省令で定める基準を遵守し、又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定障害者支援施設等の設備及び運営に関する基準を遵守すべきことを勧告することができる。
 都道府県知事は、指定相談支援事業者が、当該指定に係る相談支援事業所の従業者の知識若しくは技能若しくは人員について第四十五条第一項の厚生労働省令で定める基準に適合しておらず、又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定相談支援の事業の運営に関する基準に従って適正な指定相談支援の事業の運営をしていないと認めるときは、当該指定相談支援事業者に対し、期限を定めて、同条第一項の厚生労働省令で定める基準を遵守し、又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定相談支援の事業の運営に関する基準を遵守すべきことを勧告することができる。
 都道府県知事は、前三項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた指定事業者等が、前三項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。
 都道府県知事は、第一項から第三項までの規定による勧告を受けた指定事業者等が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該指定事業者等に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
 都道府県知事は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公示しなければならない。
 市町村は、介護給付費、訓練等給付費、サービス利用計画作成費若しくは特定障害者特別給付費の支給に係る指定障害福祉サービス等又は指定相談支援を行った指定事業者等について、第四十三条第二項の厚生労働省令で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準、第四十四条第二項の厚生労働省令で定める指定障害者支援施設等の設備及び運営に関する基準又は第四十五条第二項の厚生労働省令で定める指定相談支援の事業の運営に関する基準に従って適正な指定障害福祉サービスの事業、施設障害福祉サービスの事業又は指定相談支援の事業の運営をしていないと認めるときは、その旨を当該指定に係るサービス事業所若しくは相談支援事業所又は施設の所在地の都道府県知事に通知しなければならない。

  (指定の取消し等)

五十条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定障害福祉サービス事業者に係る第二十九条第一項の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる。
 指定障害福祉サービス事業者が、第三十六条第三項第四号、第五号、第十号又は第十一号のいずれかに該当するに至ったとき。
 指定障害福祉サービス事業者が、第四十二条第三項の規定に違反したと認められるとき。
 指定障害福祉サービス事業者が、当該指定に係るサービス事業所の従業者の知識若しくは技能又は人員について、第四十三条第一項の厚生労働省令で定める基準を満たすことができなくなったとき。
 指定障害福祉サービス事業者が、第四十三条第二項の厚生労働省令で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定障害福祉サービスの事業の運営をすることができなくなったとき。
 介護給付費若しくは訓練等給付費又は療養介護医療費の請求に関し不正があったとき。
 指定障害福祉サービス事業者が、第四十八条第一項の規定により報告又は帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
 指定障害福祉サービス事業者又は当該指定に係るサービス事業所の従業者が、第四十八条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定に係るサービス事業所の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定障害福祉サービス事業者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
 指定障害福祉サービス事業者が、不正の手段により第二十九条第一項の指定を受けたとき。
 前各号に掲げる場合のほか、指定障害福祉サービス事業者が、この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
 前各号に掲げる場合のほか、指定障害福祉サービス事業者が、障害福祉サービスに関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
十一  指定障害福祉サービス事業者が法人である場合において、その役員等のうちに指定の取消し又は指定の全部若しくは一部の効力の停止をしようとするとき前五年以内に障害福祉サービスに関し不正又は著しく不当な行為をした者があるとき。
十二  指定障害福祉サービス事業者が法人でない場合において、その管理者が指定の取消し又は指定の全部若しくは一部の効力の停止をしようとするとき前五年以内に障害福祉サービスに関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき。
 市町村は、自立支援給付に係る指定障害福祉サービスを行った指定障害福祉サービス事業者について、前項各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を当該指定に係るサービス事業所の所在地の都道府県知事に通知しなければならない。
 前二項(第一項第十二号を除く。)の規定は、指定障害者支援施設について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 第一項(第十二号を除く。)及び第二項の規定は、指定相談支援事業者について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (公示)

五十一条 都道府県知事は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。
 第二十九条第一項の指定障害福祉サービス事業者若しくは指定障害者支援施設の指定又は第三十二条第一項の指定相談支援事業者の指定をしたとき。
 第四十六条第一項の規定による届出(同項の厚生労働省令で定める事項の変更並びに同項に規定する事業の休止及び再開に係るものを除く。)があったとき。
 第四十七条の規定による指定障害者支援施設の指定の辞退があったとき。
 前条第一項(同条第三項及び第四項において準用する場合を含む。)の規定により指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設又は指定相談支援事業者の指定を取り消したとき。

    第三節   自立支援医療費、療養介護医療費及び基準該当療養介護医療費の支給

  (自立支援医療費の支給認定)

五十二条 自立支援医療費の支給を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、市町村等の自立支援医療費を支給する旨の認定(以下「支給認定」という。)を受けなければならない。
 第十九条第二項の規定は市町村等が行う支給認定について、同条第三項及び第四項の規定は市町村が行う支給認定について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (申請)

五十三条 支給認定を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村等に申請をしなければならない。
 前項の申請は、都道府県が支給認定を行う場合には、政令で定めるところにより、当該障害者又は障害児の保護者の居住地の市町村(障害者又は障害児の保護者が居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでないときは、その障害者又は障害児の保護者の現在地の市町村)を経由して行うことができる。

  (支給認定等)

五十四条 市町村等は、前条第一項の申請に係る障害者等が、その心身の障害の状態からみて自立支援医療を受ける必要があり、かつ、当該障害者等又はその属する世帯の他の世帯員の所得の状況、治療状況その他の事情を勘案して政令で定める基準に該当する場合には、厚生労働省令で定める自立支援医療の種類ごとに支給認定を行うものとする。ただし、当該障害者等が、自立支援医療のうち厚生労働省令で定める種類の医療を、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)又は心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)の規定により受けることができるときは、この限りでない。
 市町村等は、支給認定をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事が指定する医療機関(以下「指定自立支援医療機関」という。)の中から、当該支給認定に係る障害者等が自立支援医療を受けるものを定めるものとする。
 市町村等は、支給認定をしたときは、支給認定を受けた障害者又は障害児の保護者(以下「支給認定障害者等」という。)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、次条に規定する支給認定の有効期間、前項の規定により定められた指定自立支援医療機関の名称その他の厚生労働省令で定める事項を記載した自立支援医療受給者証(以下「医療受給者証」という。)を交付しなければならない。

  (支給認定の有効期間)

五十五条 支給認定は、厚生労働省令で定める期間(以下「支給認定の有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。

  (支給認定の変更)

五十六条 支給認定障害者等は、現に受けている支給認定に係る第五十四条第二項の規定により定められた指定自立支援医療機関その他の厚生労働省令で定める事項について変更の必要があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村等に対し、支給認定の変更の申請をすることができる。
 市町村等は、前項の申請又は職権により、支給認定障害者等につき、同項の厚生労働省令で定める事項について変更の必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、支給認定の変更の認定を行うことができる。この場合において、市町村等は、当該支給認定障害者等に対し医療受給者証の提出を求めるものとする。
 第十九条第二項の規定は市町村等が行う前項の支給認定の変更の認定について、同条第三項及び第四項の規定は市町村が行う前項の支給認定の変更の認定について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 市町村等は、第二項の支給認定の変更の認定を行った場合には、医療受給者証に当該認定に係る事項を記載し、これを返還するものとする。

  (支給認定の取消し)

五十七条 支給認定を行った市町村等は、次に掲げる場合には、当該支給認定を取り消すことができる。
 支給認定に係る障害者等が、その心身の障害の状態からみて自立支援医療を受ける必要がなくなったと認めるとき。
 支給認定障害者等が、支給認定の有効期間内に、当該市町村等以外の市町村等の区域内に居住地を有するに至ったと認めるとき(支給認定に係る障害者が特定施設に入所することにより当該市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至ったと認めるときを除く。)。
 支給認定に係る障害者等が、正当な理由なしに第九条第一項の規定による命令に応じないとき。
 その他政令で定めるとき。
 前項の規定により支給認定の取消しを行った市町村等は、厚生労働省令で定めるところにより、当該取消しに係る支給認定障害者等に対し医療受給者証の返還を求めるものとする。

  (自立支援医療費の支給)

五十八条 市町村等は、支給認定に係る障害者等が、支給認定の有効期間内において、第五十四条第二項の規定により定められた指定自立支援医療機関から当該指定に係る自立支援医療(以下「指定自立支援医療」という。)を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該支給認定障害者等に対し、当該指定自立支援医療に要した費用について、自立支援医療費を支給する。
 指定自立支援医療を受けようとする支給認定障害者等は、厚生労働省令で定めるところにより、指定自立支援医療機関に医療受給者証を提示して当該指定自立支援医療を受けるものとする。ただし、緊急の場合その他やむを得ない事由のある場合については、この限りでない。
 自立支援医療費の額は、次に掲げる額の合算額とする。
 当該指定自立支援医療(食事療養(健康保険法第六十三条第二項に規定する食事療養をいう。以下この項において同じ。)を除く。以下この号において同じ。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額の百分の九十に相当する額。ただし、当該支給認定障害者等が同一の月における指定自立支援医療に要した費用の額の合計額の百分の十に相当する額が、当該支給認定障害者等の家計に与える影響、障害の状態その他の事情をしん酌して政令で定める額を超えるときは、当該指定自立支援医療につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額の範囲内において政令で定めるところにより算定した額
 当該指定自立支援医療(食事療養に限る。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、健康保険法第八十五条第二項に規定する標準負担額、支給認定障害者等の所得の状況その他の事情を勘案して厚生労働大臣が定める額を控除した額
 前項に規定する療養に要する費用の額の算定方法の例によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの自立支援医療に要する費用の額の算定方法は、厚生労働大臣の定めるところによる。
 支給認定に係る障害者等が指定自立支援医療機関から指定自立支援医療を受けたときは、市町村等は、当該支給認定障害者等が当該指定自立支援医療機関に支払うべき当該指定自立支援医療に要した費用について、自立支援医療費として当該支給認定障害者等に支給すべき額の限度において、当該支給認定障害者等に代わり、当該指定自立支援医療機関に支払うことができる。
 前項の規定による支払があったときは、支給認定障害者等に対し自立支援医療費の支給があったものとみなす。

  (指定自立支援医療機関の指定)

五十九条 第五十四条第二項の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、病院若しくは診療所(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下同じ。)又は薬局の開設者の申請により、同条第一項の厚生労働省令で定める自立支援医療の種類ごとに行う。
 都道府県知事は、前項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、指定自立支援医療機関の指定をしないことができる。
 当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、健康保険法第六十三条第三項第一号に規定する保険医療機関若しくは保険薬局又は厚生労働省令で定める事業所若しくは施設でないとき。
 当該申請に係る病院若しくは診療所若しくは薬局又は申請者が、自立支援医療費の支給に関し診療又は調剤の内容の適切さを欠くおそれがあるとして重ねて第六十三条の規定による指導又は第六十七条第一項の規定による勧告を受けたものであるとき。
 申請者が、第六十七条第三項の規定による命令に従わないものであるとき。
 前三号のほか、当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、指定自立支援医療機関として著しく不適当と認めるものであるとき。
 第三十六条第三項(第一号から第三号までを除く。)の規定は、指定自立支援医療機関の指定について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (指定の更新)

六十条 第五十四条第二項の指定は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
 健康保険法第六十八条第二項の規定は、前項の指定の更新について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (指定自立支援医療機関の責務)

六十一条 指定自立支援医療機関は、厚生労働省令で定めるところにより、良質かつ適切な自立支援医療を行わなければならない。

  (診療方針)

六十二条 指定自立支援医療機関の診療方針は、健康保険の診療方針の例による。

 前項に規定する診療方針によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの診療方針は、厚生労働大臣が定めるところによる。

  (都道府県知事の指導)

六十三条 指定自立支援医療機関は、自立支援医療の実施に関し、都道府県知事の指導を受けなければならない。

  (変更の届出)

六十四条 指定自立支援医療機関は、当該指定に係る医療機関の名称及び所在地その他厚生労働省令で定める事項に変更があったときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

  (指定の辞退)

六十五条 指定自立支援医療機関は、一月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。

  (報告等)

六十六条 都道府県知事は、自立支援医療の実施に関して必要があると認めるときは、指定自立支援医療機関若しくは指定自立支援医療機関の開設者若しくは管理者、医師、薬剤師その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)に対し報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、指定自立支援医療機関の開設者若しくは管理者、医師、薬剤師その他の従業者(開設者であった者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは指定自立支援医療機関について設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 第九条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。
 指定自立支援医療機関が、正当な理由がなく、第一項の規定による報告若しくは提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、都道府県知事は、当該指定自立支援医療機関に対する市町村等の自立支援医療費の支払を一時差し止めることを指示し、又は差し止めることができる。

  (勧告、命令等)

六十七条 都道府県知事は、指定自立支援医療機関が、第六十一条又は第六十二条の規定に従って良質かつ適切な自立支援医療を行っていないと認めるときは、当該指定自立支援医療機関の開設者に対し、期限を定めて、第六十一条又は第六十二条の規定を遵守すべきことを勧告することができる。
 都道府県知事は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた指定自立支援医療機関の開設者が、同項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。
 都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた指定自立支援医療機関の開設者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該指定自立支援医療機関の開設者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
 都道府県知事は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公示しなければならない。
 市町村は、指定自立支援医療を行った指定自立支援医療機関の開設者について、第六十一条又は第六十二条の規定に従って良質かつ適切な自立支援医療を行っていないと認めるときは、その旨を当該指定に係る医療機関の所在地の都道府県知事に通知しなければならない。

  (指定の取消し等)

六十八条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定自立支援医療機関に係る第五十四条第二項の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる。
 指定自立支援医療機関が、第五十九条第二項各号のいずれかに該当するに至ったとき。
 指定自立支援医療機関が、第五十九条第三項の規定により準用する第三十六条第三項第四号、第五号、第十号又は第十一号のいずれかに該当するに至ったとき。
 指定自立支援医療機関が、第六十一条又は第六十二条の規定に違反したとき。
 自立支援医療費の請求に関し不正があったとき。
 指定自立支援医療機関が、第六十六条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
 指定自立支援医療機関の開設者又は従業者が、第六十六条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定自立支援医療機関の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定自立支援医療機関の開設者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
 五十条第一項第八号から第十二号まで及び第二項の規定は、前項の指定自立支援医療機関の指定の取消し又は効力の停止について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (公示)

六十九条 都道府県知事は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。
 第五十四条第二項の指定自立支援医療機関の指定をしたとき。
 第六十四条の規定による届出(同条の厚生労働省令で定める事項の変更に係るものを除く。)があったとき。
 第六十五条の規定による指定自立支援医療機関の指定の辞退があったとき。
 前条の規定により指定自立支援医療機関の指定を取り消したとき。

  (療養介護医療費の支給)

七十条 市町村は、介護給付費(療養介護に係るものに限る。)に係る支給決定を受けた障害者が、支給決定の有効期間内において、指定障害福祉サービス事業者等から当該指定に係る療養介護医療を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該支給決定に係る障害者に対し、当該療養介護医療に要した費用について、療養介護医療費を支給する。
 第五十八条第三項から第六項までの規定は、療養介護医療費について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (基準該当療養介護医療費の支給)

七十一条 市町村は、特例介護給付費(療養介護に係るものに限る。)に係る支給決定を受けた障害者が、基準該当事業所又は基準該当施設から当該療養介護医療(以下「基準該当療養介護医療」という。)を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該支給決定に係る障害者に対し、当該基準該当療養介護医療に要した費用について、基準該当療養介護医療費を支給する。
 第五十八条第三項及び第四項の規定は、基準該当療養介護医療費について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (準用)

七十二条 第六十一条及び第六十二条の規定は、療養介護医療を行う指定障害福祉サービス事業者等又は基準該当療養介護医療を行う基準該当事業所若しくは基準該当施設について準用する。

  (自立支援医療費等の審査及び支払)

七十三条 都道府県知事は、指定自立支援医療機関、療養介護医療を行う指定障害福祉サービス事業者等又は基準該当療養介護医療を行う基準該当事業所若しくは基準該当施設(以下この条において「公費負担医療機関」という。)の診療内容並びに自立支援医療費、療養介護医療費及び基準該当療養介護医療費(以下この条及び第七十五条において「自立支援医療費等」という。)の請求を随時審査し、かつ、公費負担医療機関が第五十八条第五項(第七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定によって請求することができる自立支援医療費等の額を決定することができる。
 公費負担医療機関は、都道府県知事が行う前項の決定に従わなければならない。
 都道府県知事は、第一項の規定により公費負担医療機関が請求することができる自立支援医療費等の額を決定するに当たっては、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会、国民健康保険法に定める国民健康保険診療報酬審査委員会その他政令で定める医療に関する審査機関の意見を聴かなければならない。
 市町村等は、公費負担医療機関に対する自立支援医療費等の支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金、連合会その他厚生労働省令で定める者に委託することができる。
 前各項に定めるもののほか、自立支援医療費等の請求に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
 第一項の規定による自立支援医療費等の額の決定については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。

  (都道府県による援助等)

七十四条 市町村は、支給認定又は自立支援医療費を支給しない旨の認定を行うに当たって必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、身体障害者更生相談所その他厚生労働省令で定める機関の意見を聴くことができる。
 都道府県は、市町村の求めに応じ、市町村が行うこの節の規定による業務に関し、その設置する身体障害者更生相談所その他厚生労働省令で定める機関による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助を行うものとする。

  (政令への委任)

七十五条 この節に定めるもののほか、支給認定、医療受給者証、支給認定の変更の認定及び支給認定の取消しその他自立支援医療費等に関し必要な事項は、政令で定める。



    第四節   補装具費の支給

七十六条 市町村は、障害者又は障害児の保護者から申請があった場合において、当該申請に係る障害者等の障害の状態からみて、当該障害者等が補装具の購入又は修理を必要とする者であると認めるときは、当該障害者又は障害児の保護者(以下この条において「補装具費支給対象障害者等」という。)に対し、当該補装具の購入又は修理に要した費用について、補装具費を支給する。ただし、当該申請に係る障害者等又はその属する世帯の他の世帯員のうち政令で定める者の所得が政令で定める基準以上であるときは、この限りでない。
 補装具費の額は、補装具の購入又は修理に通常要する費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該補装具の購入又は修理に要した費用の額を超えるときは、当該現に補装具の購入又は修理に要した費用の額とする。以下この項において「基準額」という。)の百分の九十に相当する額とする。ただし、当該基準額の百分の十に相当する額が、当該補装具費支給対象障害者等の家計に与える影響その他の事情をしん酌して政令で定める額を超えるときは、当該基準額から当該政令で定める額を控除して得た額とする。
 市町村は、補装具費の支給に当たって必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、身体障害者更生相談所その他厚生労働省令で定める機関の意見を聴くことができる。
 第十九条第二項から第四項までの規定は、補装具費の支給に係る市町村の認定について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 厚生労働大臣は、第二項の規定により厚生労働大臣の定める基準を適正なものとするため、必要な調査を行うことができる。
 前各項に定めるもののほか、補装具費の支給に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。



第三章   地域生活支援事業

  (市町村の地域生活支援事業)

七十七条 市町村は、厚生労働省令で定めるところにより、地域生活支援事業として、次に掲げる事業を行うものとする。
 障害者等が障害福祉サービスその他のサービスを利用しつつ、その有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等、障害児の保護者又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他の厚生労働省令で定める便宜を供与するとともに、障害者等に対する虐待の防止及びその早期発見のための関係機関との連絡調整その他の障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行う事業
 聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等につき、手話通訳等(手話その他厚生労働省令で定める方法により当該障害者等とその他の者の意思疎通を仲介することをいう。)を行う者の派遣、日常生活上の便宜を図るための用具であって厚生労働大臣が定めるものの給付又は貸与その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業
 移動支援事業
 障害者等につき、地域活動支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業
 都道府県は、市町村の地域生活支援事業の実施体制の整備の状況その他の地域の実情を勘案して、関係市町村の意見を聴いて、当該市町村に代わって前項各号に掲げる事業の一部を行うことができる。
 市町村は、第一項各号に掲げる事業のほか、現に住居を求めている障害者につき低額な料金で福祉ホームその他の施設において当該施設の居室その他の設備を利用させ、日常生活に必要な便宜を供与する事業その他の障害者等がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な事業を行うことができる。

  (都道府県の地域生活支援事業)

七十八条 都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、地域生活支援事業として、前条第一項第一号に掲げる事業のうち、特に専門性の高い相談支援事業その他の広域的な対応が必要な事業として厚生労働省令で定める事業を行うものとする。
 都道府県は、前項に定めるもののほか、障害福祉サービス又は相談支援の質の向上のために障害福祉サービス若しくは相談支援を提供する者又はこれらの者に対し必要な指導を行う者を育成する事業その他障害者等がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な事業を行うことができる。



   第四章   事業及び施設

  (事業の開始等)

七十九条 都道府県は、次に掲げる事業を行うことができる。
 障害福祉サービス事業
 相談支援事業
 移動支援事業
 地域活動支援センターを経営する事業
 福祉ホームを経営する事業
 国及び都道府県以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、前項各号に掲げる事業を行うことができる。
 前項の規定による届出をした者は、厚生労働省令で定める事項に変更が生じたときは、変更の日から一月以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
 国及び都道府県以外の者は、第一項各号に掲げる事業を廃止し、又は休止しようとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。

  (障害福祉サービス事業、地域活動支援センター及び福祉ホームの基準)

八十条 厚生労働大臣は、障害福祉サービス事業(施設を必要とするものに限る。以下この条及び第八十二条第二項において同じ。)、地域活動支援センター及び福祉ホームの設備及び運営について、基準を定めなければならない。
 前項の障害福祉サービス事業を行う者並びに地域活動支援センター及び福祉ホームの設置者は、同項の基準を遵守しなければならない。

  (報告の徴収等)

八十一条 都道府県知事は、障害者等の福祉のために必要があると認めるときは、障害福祉サービス事業、相談支援事業若しくは移動支援事業を行う者若しくは地域活動支援センター若しくは福祉ホームの設置者に対して、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくはその事業所若しくは施設に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 第九条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

  (事業の停止等)

八十二条 都道府県知事は、障害福祉サービス事業、相談支援事業又は移動支援事業を行う者が、この章の規定若しくは当該規定に基づく命令若しくはこれらに基づいてする処分に違反したとき、その事業に関し不当に営利を図り、若しくはその事業に係る者の処遇につき不当な行為をしたとき、又は身体障害者福祉法第十八条の二、知的障害者福祉法第二十一条若しくは児童福祉法第二十一条の七の規定に違反したときは、その事業を行う者に対して、その事業の制限又は停止を命ずることができる。
 都道府県知事は、障害福祉サービス事業を行う者又は地域活動支援センター若しくは福祉ホームの設置者が、この章の規定若しくは当該規定に基づく命令若しくはこれらに基づいてする処分に違反したとき、当該障害福祉サービス事業、地域活動支援センター若しくは福祉ホームが第八十条第一項の基準に適合しなくなったとき、又は身体障害者福祉法第十八条の二、知的障害者福祉法第二十一条若しくは児童福祉法第二十一条の七の規定に違反したときは、その事業を行う者又はその設置者に対して、その施設の設備若しくは運営の改善又はその事業の停止若しくは廃止を命ずることができる。

  (施設の設置等)

八十三条 国は、障害者支援施設を設置しなければならない。
 都道府県は、障害者支援施設を設置することができる。
 市町村は、あらかじめ厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、障害者支援施設を設置することができる。
 国、都道府県及び市町村以外の者は、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)の定めるところにより、障害者支援施設を設置することができる。
 前各項に定めるもののほか、障害者支援施設の設置、廃止又は休止に関し必要な事項は、政令で定める。

  (施設の基準)

八十四条 厚生労働大臣は、障害者支援施設の設備及び運営について、基準を定めなければならない。
 国、都道府県及び市町村以外の者が設置する障害者支援施設については、前項の基準を社会福祉法第六十五条第一項の最低基準とみなして、同法第六十二条第四項、第六十五条第二項及び第七十一条の規定を適用する。

  (報告の徴収等)

八十五条 都道府県知事は、市町村が設置した障害者支援施設の運営を適切にさせるため、必要があると認めるときは、当該施設の長に対して、必要と認める事項の報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくはその施設に立ち入り、設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 第九条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

  (事業の停止等)

八十六条 都道府県知事は、市町村が設置した障害者支援施設について、その設備又は運営が第八十四条第一項の基準に適合しなくなったと認め、又は法令の規定に違反すると認めるときは、その事業の停止又は廃止を命ずることができる。
 都道府県知事は、前項の規定による処分をするには、文書をもって、その理由を示さなければならない。



   第五章   障害福祉計画

  (基本指針)

八十七条 厚生労働大臣は、障害福祉サービス及び相談支援並びに市町村及び都道府県の地域生活支援事業の提供体制を整備し、自立支援給付及び地域生活支援事業の円滑な実施を確保するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。
 基本指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 障害福祉サービス及び相談支援の提供体制の確保に関する基本的事項
 次条第一項に規定する市町村障害福祉計画及び第八十九条第一項に規定する都道府県障害福祉計画の作成に関する事項
 移動支援事業
 その他自立支援給付及び地域生活支援事業の円滑な実施を確保するために必要な事項
 厚生労働大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

  (市町村障害福祉計画)

八十八条 市町村は、基本指針に即して、障害福祉サービス、相談支援及び地域生活支援事業の提供体制の確保に関する計画(以下「市町村障害福祉計画」という。)を定めるものとする。
 市町村障害福祉計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な量の見込み
 前号の指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な見込量の確保のための方策
 地域生活支援事業の種類ごとの実施に関する事項
 その他障害福祉サービス、相談支援及び市町村の地域生活支援事業の提供体制の確保に関し必要な事項
 市町村障害福祉計画は、当該市町村の区域における障害者等の数、その障害の状況その他の事情を勘案して作成されなければならない。
 市町村障害福祉計画は、障害者基本法第九条第三項に規定する市町村障害者計画、社会福祉法第百七条に規定する市町村地域福祉計画その他の法律の規定による計画であって障害者等の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
 市町村は、市町村障害福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
 障害者基本法第二十六条第四項の地方障害者施策推進協議会を設置する市町村は、市町村障害福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、当該地方障害者施策推進協議会の意見を聴かなければならない。
 市町村は、市町村障害福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県の意見を聴かなければならない。
 市町村は、市町村障害福祉計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを都道府県知事に提出しなければならない。

  (都道府県障害福祉計画)

八十九条 都道府県は、基本指針に即して、市町村障害福祉計画の達成に資するため、各市町村を通ずる広域的な見地から、障害福祉サービス、相談支援及び地域生活支援事業の提供体制の確保に関する計画(以下「都道府県障害福祉計画」という。)を定めるものとする。
 都道府県障害福祉計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 当該都道府県が定める区域ごとに当該区域における各年度の指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な量の見込み
 前号の区域ごとの指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な見込量の確保のための方策
 第一号の区域ごとの指定障害福祉サービス又は指定相談支援に従事する者の確保又は資質の向上のために講ずる措置に関する事項
 各年度の指定障害者支援施設の必要入所定員総数
 指定障害者支援施設の施設障害福祉サービスの質の向上のために講ずる措置に関する事項
 地域生活支援事業の種類ごとの実施に関する事項
 その他障害福祉サービス、相談支援及び都道府県の地域生活支援事業の提供体制の確保に関し必要な事項
 都道府県障害福祉計画は、障害者基本法第九条第二項に規定する都道府県障害者計画、社会福祉法第百八条に規定する都道府県地域福祉支援計画その他の法律の規定による計画であって障害者等の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
 都道府県障害福祉計画は、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の三第一項に規定する医療計画と相まって、精神病院(精神病院以外の病院で精神病室が設けられているものを含む。)に入院している精神障害者の退院の促進に資するものでなければならない。
 都道府県は、都道府県障害福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、障害者基本法第二十六条第一項の地方障害者施策推進協議会の意見を聴かなければならない。
 都道府県は、都道府県障害福祉計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に提出しなければならない。

  (都道府県知事の助言等)

九十条 都道府県知事は、市町村に対し、市町村障害福祉計画の作成上の技術的事項について必要な助言をすることができる。
 厚生労働大臣は、都道府県に対し、都道府県障害福祉計画の作成の手法その他都道府県障害福祉計画の作成上重要な技術的事項について必要な助言をすることができる。

  (国の援助)

九十一条 国は、市町村又は都道府県が、市町村障害福祉計画又は都道府県障害福祉計画に定められた事業を実施しようとするときは、当該事業が円滑に実施されるように必要な助言その他の援助の実施に努めるものとする。



   第六章   費用

  (市町村の支弁)

九十二条 次に掲げる費用は、市町村の支弁とする。
 介護給付費等、サービス利用計画作成費、高額障害福祉サービス費、特定障害者特別給付費及び特例特定障害者特別給付費(以下「障害福祉サービス費等」という。)の支給に要する費用
 自立支援医療費(第八条第一項の政令で定める医療に係るものを除く。)、療養介護医療費及び基準該当療養介護医療費の支給に要する費用
 補装具費の支給に要する費用
 市町村が行う地域生活支援事業に要する費用

  (都道府県の支弁)

九十三条 次に掲げる費用は、都道府県の支弁とする。
 自立支援医療費(第八条第一項の政令で定める医療に係るものに限る。)の支給に要する費用
 都道府県が行う地域生活支援事業に要する費用

  (都道府県の負担及び補助)

九十四条 都道府県は、政令で定めるところにより、第九十二条の規定により市町村が支弁する費用について、次に掲げるものを負担する。
 第九十二条第一号に掲げる費用のうち、国及び都道府県が負担すべきものとして当該市町村における障害福祉サービス費等の支給に係る障害者等の障害程度区分ごとの人数その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算定した額(以下「障害福祉サービス費等負担対象額」という。)の百分の二十五
 第九十二条第二号及び第三号に掲げる費用のうち、その百分の二十五
 都道府県は、当該都道府県の予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第九十二条の規定により市町村が支弁する費用のうち、同条第四号に掲げる費用の百分の二十五以内を補助することができる。

  (国の負担及び補助)

九十五条 国は、政令で定めるところにより、次に掲げるものを負担する。
 第九十二条の規定により市町村が支弁する費用のうち、障害福祉サービス費等負担対象額の百分の五十
 第九十二条の規定により市町村が支弁する費用のうち、同条第二号及び第三号に掲げる費用の百分の五十
 第九十三条の規定により都道府県が支弁する費用のうち、同条第一号に掲げる費用の百分の五十
 国は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、次に掲げるものを補助することができる。
 第十九条から第二十二条まで、第二十四条及び第二十五条の規定により市町村が行う支給決定に係る事務の処理に要する費用(地方自治法第二百五十二条の十四第一項の規定により市町村が審査判定業務を都道府県審査会に委託している場合にあっては、当該委託に係る費用を含む。)の百分の五十以内
 第九十二条及び第九十三条の規定により市町村及び都道府県が支弁する費用のうち、第九十二条第四号及び第九十三条第二号に掲げる費用の百分の五十以内

  (準用規定)

九十六条 社会福祉法第五十八条第二項から第四項までの規定は、国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第二条第二項第三号の規定又は同法第三条第一項第四号及び第二項の規定により普通財産の譲渡又は貸付けを受けた社会福祉法人に準用する。



   第七章   審査請求

  (審査請求)

九十七条 市町村の介護給付費等に係る処分に不服がある障害者又は障害児の保護者は、都道府県知事に対して審査請求をすることができる。
 前項の審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。

  (不服審査会)

九十八条 都道府県知事は、条例で定めるところにより、前条第一項の審査請求の事件を取り扱わせるため、障害者介護給付費等不服審査会(以下「不服審査会」という。)を置くことができる。
 不服審査会の委員の定数は、政令で定める基準に従い、条例で定める員数とする。
 委員は、人格が高潔であって、介護給付費等に関する処分の審理に関し公正かつ中立な判断をすることができ、かつ、障害者等の保健又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命する。

  (委員の任期)

九十九条 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
 委員は、再任されることができる。

  (会長)

百条 不服審査会に、委員のうちから委員が選挙する会長一人を置く。
 会長に事故があるときは、前項の規定に準じて選挙された者が、その職務を代行する。

  (審査請求の期間及び方式)

百一条 審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して六十日以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。

  (市町村に対する通知)

百二条 都道府県知事は、審査請求を受理したときは、原処分をした市町村及びその他の利害関係人に通知しなければならない。

  (審理のための処分)

百三条 都道府県知事は、審理を行うため必要があると認めるときは、審査請求人若しくは関係人に対して報告若しくは意見を求め、その出頭を命じて審問し、又は医師その他都道府県知事の指定する者(次項において「医師等」という。)に診断その他の調査をさせることができる。
 都道府県は、前項の規定により出頭した関係人又は診断その他の調査をした医師等に対し、政令で定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料又は報酬を支給しなければならない。

  (政令等への委任)

百四条 この章及び行政不服審査法に定めるもののほか、審査請求の手続に関し必要な事項は政令で、不服審査会に関し必要な事項は当該不服審査会を設置した都道府県の条例で定める。

  (審査請求と訴訟との関係)

百五条 第九十七条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。



   第八章   雑則

  (大都市等の特例)

百六条 この法律中都道府県が処理することとされている事務に関する規定で政令で定めるものは、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)並びに児童福祉法第五十九条の四第一項に規定する児童相談所設置市(以下「児童相談所設置市」という。)においては、政令で定めるところにより、指定都市若しくは中核市又は児童相談所設置市(以下「指定都市等」という。)が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として指定都市等に適用があるものとする。

  (権限の委任)

百七条 この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

  (実施規定)

百八条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、厚生労働省令で定める。



   第九章   罰則

百九条 市町村審査会、都道府県審査会若しくは不服審査会の委員又はこれらの委員であった者が、正当な理由なしに、職務上知り得た自立支援給付対象サービス等を行った者の業務上の秘密又は個人の秘密を漏らしたときは、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
 第二十条第四項(第二十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

百十条 第十一条第一項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

百十一条 第四十八条第一項(同条第三項及び第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は第四十八条第一項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。

百十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の刑を科する。

百十三条 正当な理由なしに、第百三条第一項の規定による処分に違反して、出頭せず、陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、又は診断その他の調査をしなかった者は、三十万円以下の罰金に処する。ただし、不服審査会の行う審査の手続における請求人又は第百二条の規定により通知を受けた市町村その他の利害関係人は、この限りでない。

百十四条 第十一条第二項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者は、十万円以下の過料に処する。

百十五条 市町村等は、条例で、正当な理由なしに、第九条第一項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者に対し十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。
 市町村等は、条例で、正当な理由なしに、第十条第一項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者に対し十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。
 市町村は、条例で、第二十四条第二項又は第二十五条第二項の規定による受給者証の提出又は返還を求められてこれに応じない者に対し十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。




 附則

  (施行期日)

一条 この法律は、平成十八年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第二十四条、第四十四条、第百一条、第百三条、第百十六条から第百十八条まで及び第百二十二条の規定 公布の日
 第五条第一項(居宅介護、行動援護、児童デイサービス、短期入所及び共同生活援助に係る部分を除く。)、第三項、第五項、第六項、第九項から第十五項まで、第十七項及び第十九項から第二十二項まで、第二章第一節(サービス利用計画作成費、特定障害者特別給付費、特例特定障害者特別給付費、療養介護医療費、基準該当療養介護医療費及び補装具費の支給に係る部分に限る。)、第二十八条第一項(第二号、第四号、第五号及び第八号から第十号までに係る部分に限る。)及び第二項(第一号から第三号までに係る部分に限る。)、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第四項(第三十七条第二項において準用する場合を含む。)、第三十八条から第四十条まで、第四十一条(指定障害者支援施設及び指定相談支援事業者の指定に係る部分に限る。)、第四十二条(指定障害者支援施設等の設置者及び指定相談支援事業者に係る部分に限る。)、第四十四条、第四十五条、第四十六条第一項(指定相談支援事業者に係る部分に限る。)及び第二項、第四十七条、第四十八条第三項及び第四項、第四十九条第二項及び第三項並びに同条第四項から第七項まで(指定障害者支援施設等の設置者及び指定相談支援事業者に係る部分に限る。)、第五十条第三項及び第四項、第五十一条(指定障害者支援施設及び指定相談支援事業者に係る部分に限る。)、第七十条から第七十二条まで、第七十三条、第七十四条第二項及び第七十五条(療養介護医療及び基準該当療養介護医療に係る部分に限る。)、第二章第四節、第三章、第四章(障害福祉サービス事業に係る部分を除く。)、第五章、第九十二条第一号(サービス利用計画作成費、特定障害者特別給付費及び特例特定障害者特別給付費の支給に係る部分に限る。)、第二号(療養介護医療費及び基準該当療養介護医療費の支給に係る部分に限る。)、第三号及び第四号、第九十三条第二号、第九十四条第一項第二号(第九十二条第三号に係る部分に限る。)及び第二項、第九十五条第一項第二号(第九十二条第二号に係る部分を除く。)及び第二項第二号、第九十六条、第百十条(サービス利用計画作成費、特定障害者特別給付費、特例特定障害者特別給付費、療養介護医療費、基準該当療養介護医療費及び補装具費の支給に係る部分に限る。)、第百十一条及び第百十二条(第四十八条第一項の規定を同条第三項及び第四項において準用する場合に係る部分に限る。)並びに第百十四条並びに第百十五条第一項及び第二項(サービス利用計画作成費、特定障害者特別給付費、特例特定障害者特別給付費、療養介護医療費、基準該当療養介護医療費及び補装具費の支給に係る部分に限る。)並びに附則第十八条から第二十三条まで、第二十六条、第三十条から第三十三条まで、第三十五条、第三十九条から第四十三条まで、第四十六条、第四十八条から第五十条まで、第五十二条、第五十六条から第六十条まで、第六十二条、第六十五条、第六十八条から第七十条まで、第七十二条から第七十七条まで、第七十九条、第八十一条、第八十三条、第八十五条から第九十条まで、第九十二条、第九十三条、第九十五条、第九十六条、第九十八条から第百条まで、第百五条、第百八条、第百十条、第百十二条、第百十三条及び第百十五条の規定 平成十八年十月一日
 附則第六十三条、第六十六条、第九十七条及び第百十一条の規定 平成二十四年三月三十一日までの日で政令で定める日

  (自立支援給付の特例)

二条 児童福祉法第六十三条の四及び第六十三条の五の規定による通知に係る児童は、第十九条から第二十五条まで、第二十九条から第三十五条まで、第七十条、第七十一条、第九十二条、第九十四条及び第九十五条の規定の適用については、障害者とみなす。

  (検討)

三条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律及び障害者等の福祉に関する他の法律の規定の施行の状況、障害児の児童福祉施設への入所に係る実施主体の在り方等を勘案し、この法律の規定について、障害者等の範囲を含め検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第二章第二節第五款、第三節及び第四節の規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
 政府は、障害者等の福祉に関する施策の実施の状況、障害者等の経済的な状況等を踏まえ、就労の支援を含めた障害者等の所得の確保に係る施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

  (特定施設入所障害者に関する経過措置)

四条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、第十九条第三項中「介護給付費等の支給を受けて又は身体障害者福祉法第十八条第二項若しくは知的障害者福祉法第十六条第一項」とあるのは「訓練等給付費若しくは特例訓練等給付費の支給を受けて又は知的障害者福祉法第十五条の三十二第一項の規定により入居の措置が採られて共同生活援助を行う住居(以下この項において「共同生活住居」という。)に入居している障害者、身体障害者福祉法第十七条の十第一項の規定により同項の施設訓練等支援費の支給を受けて又は同法第十八条第三項」と、「障害者支援施設、のぞみの園又は第五条第一項若しくは第五項の厚生労働省令で定める施設」とあるのは「同法第三十条に規定する身体障害者療護施設(以下この項において「身体障害者療護施設」という。)」と、「障害者支援施設、のぞみの園、第五条第一項若しくは第五項の厚生労働省令で定める施設」とあるのは「共同生活住居、身体障害者療護施設」と、「入所前」とあるのは「入居又は入所の前」と、「特定施設に入所して」とあるのは「特定施設に入居又は入所をして」と、「入所した」とあるのは「入居又は入所をした」と、同条第四項中「入所して」とあるのは「入居し、又は入所して」とする。

  (支給決定障害者等に関する経過措置)

五条 施行日において現に附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法第二十一条の十一第二項の規定により居宅生活支援費の支給の決定を受けている障害児の保護者、附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第十七条の五第二項の規定により居宅生活支援費の支給の決定を受けている障害者及び附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第十五条の六第二項の規定により居宅生活支援費の支給の決定を受けている障害者については、施行日に、第十九条第一項の規定による支給決定を受けたものとみなす。
 前項の規定により支給決定を受けたものとみなされた障害者又は障害児の保護者についてこの法律の規定を適用する場合において必要な読替えは、政令で定める。

  (障害程度区分の認定及び支給決定に関する経過措置)

六条 施行日から附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、第十五条中「置く」とあるのは「置くことができる」と、第二十条第二項中「調査をさせるものとする」とあるのは「調査をさせることができる」と、第二十一条第一項中「行うものとする」とあるのは「行うことができる」と、第二十二条第一項中「障害程度区分」とあるのは「障害程度区分又は障害の種類及び程度」とする。

  (身体障害者更生相談所等に関する経過措置)

七条 施行日から附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、第二十二条第二項中「第九条第六項」とあるのは「第九条第五項」と、「第九条第五項」とあるのは「第九条第四項」とする。

  (介護給付費等及び障害福祉サービスに関する経過措置)

八条 施行日から附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、第二十八条第一項の規定にかかわらず、介護給付費及び特例介護給付費の支給は、次に掲げるサービスに関して第二十九条及び第三十条の規定により支給する給付とする。
 居宅介護
 行動援護
 児童デイサービス
 短期入所
 外出介護(附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法第六条の二第二項に規定する児童居宅介護、附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第四条の二第二項に規定する身体障害者居宅介護、附則第四十五条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五十条の三の二第二項に規定する精神障害者居宅介護等事業及び附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第四条第二項に規定する知的障害者居宅介護のうち、外出時における移動中の介護をいう。以下同じ。)
 障害者デイサービス(附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第四条の二第三項に規定する身体障害者デイサービス及び附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第四条第三項に規定する知的障害者デイサービスをいう。以下同じ。)
 施行日から附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、外出介護及び障害者デイサービスを障害福祉サービスと、外出介護又は障害者デイサービスを行う事業を障害福祉サービス事業とそれぞれみなして、この法律の規定を適用する。

  (介護給付費等の額に関する経過措置)

九条 施行日から政令で定める日までの間は、第二十九条第三項中「の百分の九十に相当する額」とあるのは、「から当該費用の額の百分の十に相当する額として厚生労働省令で定めるところにより算定した額を控除して得た額」とする。

  (指定障害福祉サービス事業者に係る経過措置)

十条 施行日において現に附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法第六条の二第二項に規定する児童居宅介護(行動援護及び外出介護に該当するものを除く。)に係る同法第二十一条の十第一項の指定を受けている者、附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第四条の二第二項に規定する身体障害者居宅介護(外出介護に該当するものを除く。)に係る同法第十七条の四第一項の指定を受けている者及び附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第四条第二項に規定する知的障害者居宅介護(行動援護及び外出介護に該当するものを除く。)に係る同法第十五条の五第一項の指定を受けている者並びに附則第四十五条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五十条の三の二第二項に規定する精神障害者居宅介護等事業(外出介護に該当するものを除く。)を行っている者であって厚生労働省令で定めるものは、施行日に、居宅介護に係る第二十九条第一項の指定を受けたものとみなす。
 施行日において現に附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法第六条の二第二項に規定する児童居宅介護(行動援護に該当するものに限る。)に係る同法第二十一条の十第一項の指定を受けている者及び附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第四条第二項に規定する知的障害者居宅介護(行動援護に該当するものに限る。)に係る同法第十五条の五第一項の指定を受けている者は、施行日に、行動援護に係る第二十九条第一項の指定を受けたものとみなす。
 施行日において現に附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法第六条の二第三項に規定する児童デイサービスに係る同法第二十一条の十第一項の指定を受けている者は、施行日に、児童デイサービスに係る第二十九条第一項の指定を受けたものとみなす。
 施行日において現に附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法第六条の二第四項に規定する児童短期入所に係る同法第二十一条の十第一項の指定を受けている者、附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第四条の二第四項に規定する身体障害者短期入所に係る同法第十七条の四第一項の指定を受けている者及び附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第四条第四項に規定する知的障害者短期入所に係る同法第十五条の五第一項の指定を受けている者並びに附則第四十五条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五十条の三の二第三項に規定する精神障害者短期入所事業を行っている者であって厚生労働省令で定めるものは、施行日に、短期入所に係る第二十九条第一項の指定を受けたものとみなす。
 施行日において現に附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第四条第五項に規定する知的障害者地域生活援助に係る同法第十五条の五第一項の指定を受けている者及び附則第四十五条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五十条の三の二第四項に規定する精神障害者地域生活援助事業を行っている者であって厚生労働省令で定めるものは、施行日に、共同生活援助に係る第二十九条第一項の指定を受けたものとみなす。
 前各項の規定により第二十九条第一項の指定を受けたものとみなされた者に係る同項の指定は、当該者が、施行日から一年以内であって厚生労働省令で定める期間内に第三十六条第一項の申請をしないときは、第四十一条第一項の規定にかかわらず、当該期間の経過によって、その効力を失う。

十一条 施行日において現に附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法第六条の二第二項に規定する児童居宅介護(外出介護に該当するものに限る。)に係る同法第二十一条の十第一項の指定を受けている者、附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第四条の二第二項に規定する身体障害者居宅介護(外出介護に該当するものに限る。)に係る同法第十七条の四第一項の指定を受けている者及び附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第四条第二項に規定する知的障害者居宅介護(外出介護に該当するものに限る。)に係る同法第十五条の五第一項の指定を受けている者並びに附則第四十五条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五十条の三の二第二項に規定する精神障害者居宅介護等事業(外出介護に該当するものに限る。)を行っている者であって厚生労働省令で定めるものは、施行日に、外出介護に係る第二十九条第一項の指定を受けたものとみなす。
 施行日において現に附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第四条の二第三項に規定する身体障害者デイサービスに係る同法第十七条の四第一項の指定を受けている者及び附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第四条第三項に規定する知的障害者デイサービスに係る同法第十五条の五第一項の指定を受けている者は、施行日に、障害者デイサービスに係る第二十九条第一項の指定を受けたものとみなす。
 前二項の規定により第二十九条第一項の指定を受けたものとみなされた者に係る同項の指定は、第四十一条第一項の規定にかかわらず、附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日においてその効力を失う。

  (介護給付費及び訓練等給付費の支払委託に関する経過措置)

十二条 施行日から平成十九年九月三十日までの間は、第二十九条第八項中「国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)」とあるのは「国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)その他営利を目的としない法人であって厚生労働省令で定めるもの」と、第三十二条第六項中「連合会」とあるのは「連合会その他営利を目的としない法人であって厚生労働省令で定めるもの」とする。

  (自立支援医療に関する経過措置)

十三条 施行日において現に附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法第二十条第一項の規定による育成医療の給付又は育成医療に要する費用の支給を受けている障害児の保護者、附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第十九条第一項の規定による更生医療の給付又は更生医療に要する費用の支給を受けている障害者並びに附則第四十五条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十二条第一項の規定による医療に必要な費用の負担を受けている障害者及び障害児の保護者については、厚生労働省令で定めるところにより、施行日に、第五十二条第一項の規定による支給認定を受けたものとみなす。

十四条 施行日において現に附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第十九条の二第一項の指定を受けている医療機関及び附則第四十五条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十二条第一項の医療を担当するものとして厚生労働省令で定める基準に該当する医療機関は、施行日に、第五十四条第二項の指定があったものとみなす。
 前項の規定により第五十四条第二項の指定があったものとみなされた医療機関に係る同項の指定は、当該医療機関が、施行日から一年以内であって厚生労働省令で定める期間内に第五十九条第一項の申請をしないときは、第六十条第一項の規定にかかわらず、当該期間の経過によって、その効力を失う。

  (障害福祉サービス事業の届出に関する経過措置)

十五条 施行日において現に障害福祉サービス事業を行っている国及び都道府県以外の者(附則第八条第二項の規定により障害福祉サービス事業とみなされた事業を行う者を含む。)であって、当該障害福祉サービス事業に相当する事業に係る附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法第三十四条の三第一項、附則第三十四条の規定による改正前の身体障害者福祉法第二十六条第一項、附則第四十五条の規定による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五十条の三第一項又は附則第五十一条の規定による改正前の知的障害者福祉法第十八条の規定による届出をしているものは、施行日に、第七十九条第二項の規定による届出をしたものとみなす。

  (事業の停止等に関する経過措置)

十六条 施行日から附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、第八十二条中「身体障害者福祉法第十八条の二、知的障害者福祉法第二十一条若しくは児童福祉法第二十一条の七」とあるのは、「身体障害者福祉法第二十八条の二、知的障害者福祉法第二十一条の四若しくは児童福祉法第二十一条の二十五の二」とする。

  (費用負担に関する経過措置)

十七条 施行日から附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、第九十四条第一項第二号中「費用」とあるのは、「費用(社会福祉法に定める福祉に関する事務所を設置しない町村が支弁するものに限る。)」とする。

  (特定施設入所障害者に関する経過措置)

十八条 附則第四十一条第一項又は第五十八条第一項の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた附則第四十一条第一項に規定する身体障害者更生援護施設又は附則第五十八条第一項に規定する知的障害者援護施設(附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第二十一条の八に規定する知的障害者通勤寮を除く。)は、障害者支援施設とみなして、第十九条第三項及び第四項の規定を適用する。
 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日以後、当分の間、第十九条第三項中「第十六条第一項の規定により入所措置」とあるのは「第十五条の四若しくは第十六条第一項の規定により入所若しくは入居の措置」と、「又は第五条第一項」とあるのは「若しくは第五条第一項」と、「定める施設に入所して」とあるのは「定める施設に入所し、又は共同生活介護若しくは共同生活援助を行う住居(以下この項において「共同生活住居」という。)に入居して」と、「又は同法」とあるのは「、共同生活住居又は同法」と、「入所前」とあるのは「入所又は入居の前」と、「特定施設に入所して」とあるのは「特定施設に入所又は入居をして」と、「入所した」とあるのは「入所又は入居をした」と、同条第四項中「入所して」とあるのは「入所し、又は入居して」とする。

  (支給決定障害者等に関する経過措置)

十九条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日において現に附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第十七条の十一第二項の規定により施設訓練等支援費の支給の決定を受けている障害者及び同法第十七条の三十二第四項の規定により同条第一項に規定する国立施設に入所している障害者並びに附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第十五条の十二第二項の規定により施設訓練等支援費の支給の決定を受けている障害者については、厚生労働省令で定めるところにより、同日に、第十九条第一項の規定による支給決定を受けたものとみなす。ただし、当該障害者が同項の規定による支給決定を受けたときは、この限りでない。
 前項の規定により支給決定を受けたものとみなされた障害者について、この法律の規定を適用する場合において必要な読替えは、政令で定める。

  (旧法指定施設に関する経過措置)

二十条 附則第四十一条第一項又は第五十八条第一項の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた附則第四十一条第一項に規定する身体障害者更生援護施設又は附則第五十八条第一項に規定する知的障害者援護施設であって、附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日において附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第十七条の十第一項の指定又は附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第十五条の十一第一項の指定を受けているもの(以下この条及び次条第一項において「旧法指定施設」という。)については、附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から同条第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、当該旧法指定施設において行われる附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第五条第二項に規定する身体障害者施設支援又は附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第五条第二項に規定する知的障害者施設支援に相当するサービス(以下「旧法施設支援」という。)を障害福祉サービスとみなし、附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日に、当該障害福祉サービスに係る第二十九条第一項の指定があったものとみなす。

  (旧法施設支援に関する経過措置)

二十一条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から同条第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、市町村は、支給決定障害者等が支給決定の有効期間内において、前条の規定により第二十九条第一項の指定があったものとみなされた旧法指定施設(第五十条第三項において準用する同条第一項の規定により当該指定を取り消されたものを除く。次条において「特定旧法指定施設」という。)から、旧法施設支援(以下この条及び次条において「指定旧法施設支援」という。)を受けたときは、政令で定めるところにより、当該支給決定障害者等に対し、当該指定旧法施設支援(厚生労働省令で定める量の範囲内のものに限る。)に要した費用(特定費用を除く。)について、介護給付費を支給する。
 前項の規定により支給する介護給付費の額は、第二十九条第三項の規定にかかわらず、指定旧法施設支援に通常要する費用(特定費用を除く。)につき、厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定旧法施設支援に要した費用(特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に指定旧法施設支援に要した費用の額)の百分の九十に相当する額とする。
 第二十九条第四項の規定は、前項の規定により算定される介護給付費の額について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (特定旧法受給者に関する経過措置)

二十二条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日において現に特定旧法指定施設に入所している附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第十七条の十一第二項の規定による支給の決定又は附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第十五条の十二第二項の規定による支給の決定(以下この条において「旧法施設支給決定」という。)を受けて附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第十七条の十第一項の施設訓練等支援費又は附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第十五条の十一第一項の施設訓練等支援費を受けていた者(以下この条において「特定旧法受給者」という。)は、附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日以後引き続き当該特定旧法指定施設に入所している間(当該特定旧法指定施設に継続して一以上の他の特定旧法指定施設又は障害者支援施設若しくはのぞみの園に入所することにより当該一以上の他の特定旧法指定施設又は障害者支援施設若しくはのぞみの園のそれぞれの所在する場所に順次居住地を有するに至った特定旧法受給者にあっては、当該一以上の他の特定旧法指定施設又は障害者支援施設若しくはのぞみの園に継続して入所している間を含む。)は、第十九条第二項及び第三項の規定にかかわらず、当該旧法施設支給決定を行った市町村が支給決定を行うものとする。
 前項の規定の適用を受ける障害者が入所している特定旧法指定施設又は障害者支援施設若しくはのぞみの園は、当該特定旧法指定施設又は障害者支援施設若しくはのぞみの園の所在する市町村及び当該障害者に対し支給決定を行う市町村に、必要な協力をしなければならない。
 特定旧法受給者については、附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から同条第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間に限り、同条第二号に掲げる規定の施行の日以後引き続き特定旧法指定施設に入所している間(当該特定旧法指定施設に係る第五十条第三項において準用する同条第一項の規定による指定の取消しその他やむを得ない理由により、当該特定旧法指定施設に継続して一以上の他の特定旧法指定施設又は指定障害者支援施設等に入所した特定旧法受給者にあっては、当該一以上の他の特定旧法指定施設又は指定障害者支援施設等に継続して入所している間を含む。)は、当該旧法施設支給決定を行った市町村は、当該特定旧法受給者を第十九条第一項の規定による支給決定を受けた障害者とみなして、当該特定旧法受給者が当該特定旧法指定施設(当該一以上の他の特定旧法指定施設又は指定障害者支援施設等に入所した特定旧法受給者にあっては、当該一以上の他の特定旧法指定施設又は指定障害者支援施設等)から指定旧法施設支援又は指定障害福祉サービス等を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該特定旧法受給者に対し、当該指定旧法施設支援又は指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)について、介護給付費又は訓練等給付費を支給する。ただし、当該特定旧法受給者が同項の規定による支給決定を受けたときは、この限りでない。
 前項の規定により特定旧法受給者に対して支給される介護給付費又は訓練等給付費の額は、第二十九条第三項の規定にかかわらず、同項の規定により算定される費用の額の範囲内において、厚生労働大臣が別に定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定旧法施設支援又は指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に指定旧法施設支援又は指定障害福祉サービス等に要した費用の額)の百分の九十に相当する額とする。
 第二十九条第四項の規定は、前項の規定により算定される特定旧法受給者に対して支給される介護給付費又は訓練等給付費の額について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 特定旧法受給者(支給決定障害者等であるものを除く。)は、附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から同条第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間に限り、第二十九条第二項、第五項及び第六項、第三十一条並びに第三十三条第一項の規定の適用については支給決定障害者等と、第三十四条第一項の規定の適用については支給決定を受けた障害者とみなす。

  (障害者支援施設等に関する経過措置)

二十三条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日において現に障害者支援施設を設置している市町村について第八十三条第三項の規定を適用する場合においては、同項中「あらかじめ」とあるのは、「附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から起算して六月以内に」とする。
 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日において現に附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第二十七条第三項又は社会福祉法第六十二条第一項の規定による届出をしている附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第三十条の二に規定する身体障害者福祉ホーム又は附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第二十一条の九に規定する知的障害者福祉ホーム(以下この項において「身体障害者福祉ホーム等」と総称する。)の設置者は、同日に、第七十九条第二項の規定による届出をしたものとみなし、当該身体障害者福祉ホーム等を福祉ホームとみなす。
 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日において現に附則第二十六条の規定による改正前の児童福祉法第三十四条の三第一項、附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第二十六条第一項又は附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第十八条の規定による届出をして附則第二十六条の規定による改正前の児童福祉法第六条の二第一項に規定する障害児相談支援事業、附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第四条の二第一項に規定する身体障害者相談支援事業又は附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第四条に規定する知的障害者相談支援事業(以下この項において「障害児相談支援事業等」と総称する。)を行っている者は、同日に、第七十九条第二項の規定による届出をしたものとみなし、当該障害児相談支援事業等を相談支援事業とみなす。

  (施行前の準備)

二十四条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百二十一条において同じ。)を施行するために必要な条例の制定又は改正、第十九条から第二十二条までの規定による支給決定の手続、第三十六条(第四十条において準用する場合を含む。)及び第三十八条の規定による第二十九条第一項の指定の手続、第五十九条の規定による第五十四条第二項の指定の手続、第七十九条第二項の届出、第八十八条の規定による市町村障害福祉計画の策定の準備、第八十九条の規定による都道府県障害福祉計画の策定の準備その他の行為は、この法律の施行前においても行うことができる。

  (児童福祉法の一部改正)

二十五条 児童福祉法の一部を次のように改正する。
 目次中「―第九条」を「・第九条」に改め、「、医療の給付」を削り、「第二十一条の九の二」を「第二十一条の九の六」に、
第一款   居宅生活支援費の支給(第二十一条の十―第二十一条の二十四)
第二款   居宅介護の措置等(第二十一条の二十五)
に、
第一款   削除
第二款   障害福祉サービスの措置等(第二十一条の二十五―第二十一条の二十五の三)
「第六十二条の三」を「第六十二条の二」に改める。
 第四条に次の一項を加える。
   この法律で、障害児とは、身体に障害のある児童又は知的障害のある児童をいう。
 第六条の二第十項中「身体に障害のある児童又は知的障害のある児童」を「障害児」に、「児童居宅生活支援事業」を「障害者自立支援法(平成十七年法律第   号)第五条第一項に規定する障害福祉サービス事業(同法附則第八条第二項の規定により障害福祉サービス事業とみなされた事業を含む。以下「障害福祉サービス事業」という。)」に改め、同条第一項から第九項までを削る。
 第十二条第二項中「ホまでに掲げる業務」の下に「並びに障害者自立支援法第二十二条第二項及び第三項並びに第二十六条第一項に規定する業務」を加える。
 「第一節 療育の指導、医療の給付等」を「第一節 療育の指導等」に改める。
 第二十条から第二十一条の五までを次のように改める。
第二十条から第二十一条の五まで 削除
 第二十一条の八中「扶養義務者」の下に「(民法に定める扶養義務者をいう。以下同じ。)」を加える。
 第二十一条の九第二項を次のように改める。
   療育の給付は、医療並びに学習及び療養生活に必要な物品の支給とする。
 第二十一条の九第三項中「前項第一号」を「第二項」に改め、同条第四項中「第二項第一号」を「第二項」に改め、同条第七項中「第五項」を「第六項」に、「第八項において準用する第二十一条」を「次条」に、「第二項第一号」を「第二項」に改め、同条第八項を削り、同条第二項の次に次の一項を加える。
   前項の医療は、次に掲げる給付とする。
 診察
 薬剤又は治療材料の支給
 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
 移送
 第二章第一節中第二十一条の九の二を第二十一条の九の六とし、第二十一条の九の次に次の四条を加える。
二十一条の九の二 指定療育機関は、厚生労働大臣の定めるところにより、前条第二項の医療を担当しなければならない。
二十一条の九の三 指定療育機関の診療方針及び診療報酬は、健康保険の診療方針及び診療報酬の例による。
 前項に規定する診療方針及び診療報酬によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの診療方針及び診療報酬は、厚生労働大臣が定めるところによる。
二十一条の九の四 都道府県知事は、指定療育機関の診療内容及び診療報酬の請求を随時審査し、かつ、指定療育機関が前条の規定によつて請求することができる診療報酬の額を決定することができる。
 指定療育機関は、都道府県知事が行う前項の決定に従わなければならない。
 都道府県知事は、第一項の規定により指定療育機関が請求することができる診療報酬の額を決定するに当たつては、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)に定める国民健康保険診療報酬審査委員会その他政令で定める医療に関する審査機関の意見を聴かなければならない。
 都道府県は、指定療育機関に対する診療報酬の支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険団体連合会その他厚生労働省令で定める者に委託することができる。
 第一項の規定による診療報酬の額の決定については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
二十一条の九の五 都道府県知事(厚生労働大臣が指定した指定療育機関にあつては、厚生労働大臣又は都道府県知事とする。次項において同じ。)は、指定療育機関の診療報酬の請求が適正であるかどうかを調査するため必要があると認めるときは、指定療育機関の管理者に対して必要な報告を求め、又は当該職員をして、指定療育機関について、その管理者の同意を得て、実地に診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 指定療育機関の管理者が、正当な理由がなく、前項の報告の求めに応ぜず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の同意を拒んだときは、都道府県知事は、当該指定療育機関に対する都道府県の診療報酬の支払を一時差し止めることを指示し、又は差し止めることができる。
 厚生労働大臣は、前項に規定する都道府県知事の権限に属する事務(都道府県知事が指定した指定療育機関に係るものに限る。)について、児童の利益を保護する緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し同項の事務を行うことを指示することができる。
 第二章第二節第一款を次のように改める。
     第一款   削除
第二十一条の十から第二十一条の二十四まで 削除
 「第二款 居宅介護の措置等」を「第二款 障害福祉サービスの措置等」に改める。
 第二十一条の二十五第一項中「児童居宅支援を必要」を「障害者自立支援法第五条第一項に規定する障害福祉サービス(同法附則第八条第二項の規定により障害福祉サービスとみなされたものを含む。以下「障害福祉サービス」という。)を必要」に、「第二十一条の十又は第二十一条の十二の規定により居宅生活支援費又は特例居宅生活支援費」を「同法に規定する介護給付費又は特例介護給付費(第五十六条の六第一項において「介護給付費等」という。)」に、「児童居宅支援を提供し」を「障害福祉サービスを提供し」に、「児童居宅支援の」を「障害福祉サービスの」に改める。
 第二章第二節第二款中第二十一条の二十五の次に次の二条を加える。
二十一条の二十五の二 障害福祉サービス事業を行う者は、前条第一項の規定による委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
二十一条の二十五の三 市町村は、障害福祉サービスに関し必要な情報の提供を行うとともに、その利用に関し相談に応じ、及び助言を行わなければならない。
 市町村は、障害児又は当該障害児の保護者から求めがあつたときは、障害福祉サービスの利用についてあつせん又は調整を行うとともに、必要に応じて、障害福祉サービス事業を行う者に対し、当該障害児の利用についての要請を行うものとする。
 障害福祉サービス事業を行う者は、前項のあつせん、調整及び要請に対し、できる限り協力しなければならない。
 第二十一条の二十八中「第六条の二第十二項」を「第六条の二第三項」に改める。
 第三十二条第二項中「、第二十一条の十から第二十一条の十五までの規定による権限」を削る。
 第三十四条の三第一項中「児童居宅生活支援事業等」を「障害児相談支援事業及び児童自立生活援助事業(以下「障害児相談支援事業等」という。)」に改め、同条第三項中「児童居宅生活支援事業等」を「障害児相談支援事業等」に改める。
 第三十四条の四第一項及び第三十四条の五中「児童居宅生活支援事業等」を「障害児相談支援事業等」に改める。
 第三十四条の六中「児童居宅生活支援事業又は児童自立生活援助事業」を「障害児相談支援事業等」に改め、「、第二十一条の二十五第一項」を削る。
 第四十九条中「児童居宅生活支援事業等」を「障害児相談支援事業等」に改める。
 第五十条第四号を次のように改める。
 四 削除
 第五十条第五号の二中「第二十一条の九の二」を「第二十一条の九の六」に改める。
 第五十一条第一号の二を削る。
 第五十三条中「第一号の二、第二号」を「第二号(第二十一条の二十五第二項の措置に係る費用に限る。)」に改める。
 第五十三条の二中「並びに第五十一条第一号の二の費用(児童デイサービスに係る費用を除く。)及び同条第二号の費用(児童デイサービス及び第二十一条の二十五第二項の措置に係る費用を除く。)」を削る。
 第五十五条中「第五十一条第三号」を「第五十一条第二号の費用(第二十一条の二十五第二項の措置に係る費用を除く。)並びに第五十一条第三号」に改める。
 第五十五条の二を削る。
 第五十六条第五項中「育成医療の給付又は第二十一条の九の二」を「第二十一条の九の六」に改め、「指定育成医療機関又は」を削り、「指定育成医療機関等」を「医療機関」に改め、同条第七項中「指定育成医療機関等」を「医療機関」に改める。
 第五十六条の六第一項中「第二十一条の十若しくは第二十一条の十二の規定による居宅生活支援費若しくは特例居宅生活支援費」を「介護給付費等」に改め、同条第二項中「児童居宅生活支援事業等」を「障害児相談支援事業等」に改める。
 第五十七条の二を削る。
 第五十七条の三第三項中「前項に規定するもののほか、」を削り、同条第二項を削り、同条を第五十七条の二とする。
 第五十九条の五第一項中「第二十一条の四第一項(第二十一条の九第八項において準用する場合を含む。)」を「第二十一条の九の五第一項」に改める。
 第六十二条の三を削る。
 第六十三条の四中「入所すること」の下に「又は障害福祉サービス(障害者自立支援法第四条第一項に規定する障害者のみを対象とするものに限る。次条において同じ。)を利用すること」を加え、「同法第九条」を「身体障害者福祉法第九条又は障害者自立支援法第十九条第二項若しくは第三項」に改める。
 第六十三条の五中「(昭和三十五年法律第三十七号)」を削り、「又は」を「若しくは」に改め、「入所すること」の下に「又は障害福祉サービスを利用すること」を、「第九条」の下に「又は障害者自立支援法第十九条第二項若しくは第三項」を加える。

二十六条 児童福祉法の一部を次のように改正する。
 目次中「第二十一条の九の六」を「第二十一条の五」に、
第一款   削除
第二款   障害福祉サービスの措置等(第二十一条の二十五―第二十一条の二十五の三)
第三款   子育て支援事業(第二十一条の二十六―第二十一条の三十五)
第一款   障害福祉サービスの措置(第二十一条の六・第二十一条の七)
第二款   子育て支援事業(第二十一条の八―第二十一条の十七)
に、
第四節   要保護児童の保護措置等(第二十五条―第三十三条の八)
第五節   雑則(第三十四条・第三十四条の二)
第四節   障害児施設給付費、高額障害児施設給付費及び特定入所障害児食費等給付費並びに障害児施設医療費の支給
  第一款   障害児施設給付費、高額障害児施設給付費及び特定入所障害児食費等給付費の支給(第二十四条の二―第二十四条の八)
  第二款   指定知的障害児施設等(第二十四条の九―第二十四条の十九)
  第三款   障害児施設医療費の支給(第二十四条の二十―第二十四条の二十三)
第五節   要保護児童の保護措置等(第二十五条―第三十三条の八)
第六節   雑則(第三十四条・第三十四条の二)
に、
「第六十二条の二」を「第六十二条の三」に改める。
 第六条の二第一項を削る。
 第七条に次の六項を加える。
   この法律で、障害児施設支援とは、知的障害児施設支援、知的障害児通園施設支援、盲ろうあ児施設支援、肢体不自由児施設支援及び重症心身障害児施設支援をいう。
 この法律で、知的障害児施設支援とは、知的障害児施設に入所する知的障害のある児童に対して行われる保護又は治療及び知識技能の付与をいう。
 この法律で、知的障害児通園施設支援とは、知的障害児通園施設に通う知的障害のある児童に対して行われる保護及び知識技能の付与をいう。
 この法律で、盲ろうあ児施設支援とは、盲ろうあ児施設に入所する盲児(強度の弱視児を含む。)又はろうあ児(強度の難聴児を含む。)に対して行われる保護及び指導又は援助をいう。
 この法律で、肢体不自由児施設支援とは、肢体不自由児施設又は国立高度専門医療センター若しくは独立行政法人国立病院機構の設置する医療機関であつて厚生労働大臣が指定するもの(以下「指定医療機関」という。)において、上肢、下肢又は体幹の機能の障害(以下「肢体不自由」という。)のある児童に対して行われる治療及び知識技能の付与をいう。
 この法律で、重症心身障害児施設支援とは、重症心身障害児施設に入所し、又は指定医療機関に入院する重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童に対して行われる保護並びに治療及び日常生活の指導をいう。
 第十二条第二項中「障害者自立支援法」の下に「(平成十七年法律第   号)」を加える。
 第二十条から第二十一条の八までを削り、第二十一条の九を第二十条とし、第二十一条の九の二を第二十一条とし、第二十一条の九の三を第二十一条の二とし、第二十一条の九の四を第二十一条の三とし、第二十一条の九の五を第二十一条の四とし、第二十一条の九の六を第二十一条の五とする。
 第二章第二節第一款を削る。
 「第二款 障害福祉サービスの措置等」を「第二款 障害福祉サービスの措置」に改める。
 第二十一条の二十五第一項中「同法附則第八条第二項の規定により障害福祉サービスとみなされたものを含む。」を削り、同条第二項を削り、第二章第二節第二款中同条を第二十一条の六とする。
 第二十一条の二十五の二中「障害福祉サービス事業」を「障害者自立支援法第五条第一項に規定する障害福祉サービス事業」に、「前条第一項」を「前条」に改め、同条を第二十一条の七とする。
 第二十一条の二十五の三を削る。
 第二章第二節第二款を同節第一款とする。
 第二章第二節第三款中第二十一条の二十六を第二十一条の八とし、第二十一条の二十七を第二十一条の九とする。
 第二十一条の二十八中「第六条の二第三項」を「第六条の二第二項」に改め、同条を第二十一条の十とし、第二十一条の二十九を第二十一条の十一とする。
 第二十一条の三十中「第二十一条の三十二第一項」を「第二十一条の十四第一項」に改め、同条を第二十一条の十二とする。
 第二十一条の三十一中「第二十一条の二十九第三項」を「第二十一条の十一第三項」に改め、同条を第二十一条の十三とする。
 第二十一条の三十二第一項中「第二十一条の二十九第三項」を「第二十一条の十一第三項」に改め、同条を第二十一条の十四とし、第二十一条の三十三を第二十一条の十五とし、第二十一条の三十四を第二十一条の十六とし、第二十一条の三十五を第二十一条の十七とする。
 第二章第二節第三款を同節第二款とする。
 第二章第五節を同章第六節とする。
 第二十五条の七第一項第二号中「第九条第四項」を「第九条第五項」に改める。
 第二十五条の八第四号中「第二十一条の二十五」を「第二十一条の六」に改める。
 第二十六条第一項第二号中「障害児相談支援事業」を「障害者自立支援法第五条第十七項に規定する相談支援事業(次条第一項第二号及び第三十四条の六において「相談支援事業」という。)」に改め、同項第五号中「第二十一条の二十五」を「第二十一条の六」に改める。
 第二十七条第一項第二号中「障害児相談支援事業」を「相談支援事業」に改め、同条第二項中「国立高度専門医療センター及び独立行政法人国立病院機構の設置する医療機関であつて厚生労働大臣の指定するもの(以下「指定医療機関」という。)」を「指定医療機関」に改める。
 第三十二条第二項中「第二十一条の六第一項の交付等の権限、第二十一条の二十五」を「第二十一条の六」に、「及び第二十三条第一項ただし書」を「、第二十三条第一項ただし書」に改め、「保護の権限」の下に「並びに第二十四条の二から第二十四条の七まで及び第二十四条の二十の規定による権限」を加える。
 第三十三条の四第一号中「第二十一条の二十五」を「第二十一条の六」に改める。
 第三十三条の五中「第二十一条の二十五」を「第二十一条の六」に改め、「(平成五年法律第八十八号)」を削る。
 第二章第四節を同章第五節とし、同章第三節の次に次の一節を加える。
    第四節   障害児施設給付費、高額障害児施設給付費及び特定入所障害児食費等給付費並びに障害児施設医療費の支給
     第一款   障害児施設給付費、高額障害児施設給付費及び特定入所障害児食費等給付費の支給
二十四条の二 都道府県は、次条第六項に規定する施設給付決定保護者(以下この条において「施設給付決定保護者」という。)が、次条第四項の規定により定められた期間内において、都道府県知事が指定する知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設若しくは重症心身障害児施設又は指定医療機関(以下「指定知的障害児施設等」という。)に入所又は入院(以下「入所等」という。)の申込みを行い、当該指定知的障害児施設等から障害児施設支援(以下「指定施設支援」という。)を受けたときは、当該施設給付決定保護者に対し、当該指定施設支援に要した費用(食事の提供に要する費用、居住又は滞在に要する費用その他の日常生活に要する費用のうち厚生労働省令で定める費用及び治療に要する費用(以下「特定費用」という。)を除く。)について、障害児施設給付費を支給する。
 障害児施設給付費の額は、障害児施設支援の種類ごとに指定施設支援に通常要する費用(特定費用を除く。)につき、厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定施設支援に要した費用(特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に指定施設支援に要した費用の額)の百分の九十に相当する額とする。
 施設給付決定保護者が同一の月に受けた指定施設支援に要した費用(特定費用を除く。)の額の合計額から、前項の規定により算定された当該同一の月における障害児施設給付費の合計額を控除して得た額が、当該施設給付決定保護者の家計に与える影響その他の事情をしん酌して政令で定める額を超えるときは、同項の規定にかかわらず、当該同一の月における障害児施設給付費の額は、同項の規定により算定した費用の額の百分の九十に相当する額を超え百分の百に相当する額以下の範囲内において政令で定める額とする。
二十四条の三 障害児の保護者は、前条第一項の規定により障害児施設給付費の支給を受けようとするときは、障害児施設支援の種類ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県に申請しなければならない。
 都道府県は、前項の申請が行われたときは、当該申請に係る障害児の障害の種類及び程度、当該障害児の介護を行う者の状況、当該障害児の保護者の障害児施設給付費の受給の状況その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して、障害児施設給付費の支給の要否を決定するものとする。
 前項の規定による決定を行う場合には、児童相談所長の意見を聴かなければならない。
 障害児施設給付費を支給する旨の決定(以下「施設給付決定」という。)を行う場合には、障害児施設給付費を支給する期間を定めなければならない。
 前項の期間は、障害児施設支援の種類ごとに厚生労働省令で定める期間を超えることができないものとする。
 都道府県は、施設給付決定をしたときは、当該施設給付決定を受けた障害児の保護者(以下「施設給付決定保護者」という。)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、第四項の規定により定められた期間(以下「給付決定期間」という。)を記載した受給者証(以下「施設受給者証」という。)を交付しなければならない。
 指定施設支援を受けようとする施設給付決定保護者は、厚生労働省令で定めるところにより、指定知的障害児施設等に施設受給者証を提示して当該指定施設支援を受けるものとする。ただし、緊急の場合その他やむを得ない事由のある場合については、この限りでない。
 施設給付決定保護者が指定知的障害児施設等から指定施設支援を受けたとき(当該施設給付決定保護者が当該指定知的障害児施設等に施設受給者証を提示したときに限る。)は、都道府県は、当該施設給付決定保護者が当該指定知的障害児施設等に支払うべき当該指定施設支援に要した費用(特定費用を除く。)について、障害児施設給付費として当該施設給付決定保護者に支給すべき額の限度において、当該施設給付決定保護者に代わり、当該指定知的障害児施設等に支払うことができる。
 前項の規定による支払があつたときは、当該施設給付決定保護者に対し障害児施設給付費の支給があつたものとみなす。
 都道府県は、指定知的障害児施設等から障害児施設給付費の請求があつたときは、前条第二項の厚生労働大臣が定める基準及び第二十四条の十二第二項の指定知的障害児施設等の設備及び運営に関する基準(指定施設支援の取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査の上、支払うものとする。
 都道府県は、前項の規定による支払に関する事務を国民健康保険法第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会その他営利を目的としない法人であつて厚生労働省令で定めるものに委託することができる。
二十四条の四 施設給付決定を行つた都道府県は、次に掲げる場合には、当該施設給付決定を取り消すことができる。
 施設給付決定に係る障害児が、指定施設支援を受ける必要がなくなつたと認めるとき。
 施設給付決定保護者が、給付決定期間内に、当該都道府県以外の都道府県の区域内に居住地を有するに至つたと認めるとき。
 前項の規定により施設給付決定の取消しを行つた都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、当該取消しに係る施設給付決定保護者に対し施設受給者証の返還を求めるものとする。
 前二項に定めるもののほか、施設給付決定の取消しに関し必要な事項は、政令で定める。
二十四条の五 都道府県が、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより、障害児施設支援に要する費用を負担することが困難であると認めた施設給付決定保護者が受ける障害児施設給付費の支給について第二十四条の二第二項の規定を適用する場合においては、同項中「百分の九十」とあるのは、「百分の九十を超え百分の百以下の範囲内において都道府県が定めた割合」とする。
二十四条の六 都道府県は、施設給付決定保護者が受けた指定施設支援に要した費用の合計額から当該費用につき支給された障害児施設給付費の合計額を控除して得た額が、著しく高額であるときは、当該施設給付決定保護者に対し、政令で定めるところにより、高額障害児施設給付費を支給する。
 前項に定めるもののほか、高額障害児施設給付費の支給要件、支給額その他高額障害児施設給付費の支給に関し必要な事項は、指定施設支援に要する費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定める。
二十四条の七 都道府県は、施設給付決定保護者のうち所得の状況その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定めるものに係る障害児(知的障害児通園施設に通う者その他厚生労働省令で定める者を除く。)が、給付決定期間内において、指定知的障害児施設等に入所し、当該指定知的障害児施設等から指定施設支援を受けたときは、当該施設給付決定保護者に対し、当該指定知的障害児施設等における食事の提供に要した費用及び居住に要した費用について、政令で定めるところにより、特定入所障害児食費等給付費を支給する。
 第二十四条の三第七項から第十一項までの規定は、特定入所障害児食費等給付費の支給について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
二十四条の八 この款に定めるもののほか、障害児施設給付費、高額障害児施設給付費又は特定入所障害児食費等給付費の支給及び指定知的障害児施設等の障害児施設給付費又は特定入所障害児食費等給付費の請求に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
     第二款   指定知的障害児施設等
二十四条の九 第二十四条の二第一項の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設又は重症心身障害児施設(以下「知的障害児施設等」という。)であつて、その設置者の申請があつたものについて行う。
 都道府県知事は、前項の申請があつた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、指定知的障害児施設等(指定医療機関を除く。第二十四条の十三、第二十四条の十四、第二十四条の十七及び第二十四条の十八において同じ。)の指定をしてはならない。
 申請者が法人でないとき。
 当該申請に係る知的障害児施設等の従業者の知識及び技能並びに人員が、第二十四条の十二第一項の厚生労働省令で定める基準を満たしていないとき。
 申請者が、第二十四条の十二第二項の厚生労働省令で定める指定知的障害児施設等の設備及び運営に関する基準に従つて適正な知的障害児施設等の運営をすることができないと認められるとき。
 申請者の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)又は当該申請に係る知的障害児施設等の長(以下「役員等」という。)が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
 申請者又は申請者の役員等が、この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
 申請者が、第二十四条の十七の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者であるとき。
 申請者の役員等が、第二十四条の十七の規定による指定の取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があつた日前六十日以内に当該取消しの処分を受けた法人の役員等であつた者で、当該取消しの日から起算して五年を経過しないものであるとき。
 申請者が、第二十四条の十七の規定による指定の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第二十四条の十四の規定による指定の辞退をした者(当該指定の辞退について相当の理由がある者を除く。)で、当該辞退の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
 前号に規定する期間内に第二十四条の十四の規定による指定の辞退があつた場合において、申請者の役員等が、同号の通知の日前六十日以内に当該辞退に係る法人(当該指定の辞退について相当の理由がある法人を除く。)の役員等であつた者で、当該辞退の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
 申請者又は申請者の役員等が、指定の申請前五年以内に障害児施設支援に関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき。
二十四条の十 第二十四条の二第一項の指定は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この条において「指定の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の指定は、指定の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
 前項の場合において、指定の更新がされたときは、その指定の有効期間は、従前の指定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
 前条の規定は、第一項の指定の更新について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
二十四条の十一 指定知的障害児施設等の設置者は、障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、行政機関、教育機関その他の関係機関との緊密な連携を図りつつ、障害児施設支援を当該障害児の意向、適性、障害の特性その他の事情に応じ、効果的に行うように努めなければならない。
 指定知的障害児施設等の設置者は、その提供する障害児施設支援の質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、障害児施設支援の質の向上に努めなければならない。
 指定知的障害児施設等の設置者は、障害児の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、障害児及びその保護者のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
二十四条の十二 指定知的障害児施設等の設置者は、厚生労働省令で定める基準に従い、指定施設支援に従事する従業者を有しなければならない。
 指定知的障害児施設等の設置者は、厚生労働省令で定める指定知的障害児施設等の設備及び運営に関する基準に従い、指定施設支援を提供しなければならない。
二十四条の十三 指定知的障害児施設等の設置者は、設置者の住所その他の厚生労働省令で定める事項に変更があつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
二十四条の十四 指定知的障害児施設等は、三月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。
二十四条の十五 都道府県知事は、必要があると認めるときは、指定知的障害児施設等の設置者若しくはその長その他の従業者(以下「指定施設設置者等」という。)である者若しくは指定施設設置者等であつた者に対し、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、指定施設設置者等である者若しくは指定施設設置者等であつた者に対し出頭を求め、又は当該職員に、関係者に対し質問させ、若しくは当該指定知的障害児施設等に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 前項の規定による質問又は検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
二十四条の十六都道府県知事は、指定知的障害児施設等の設置者が、当該指定に係る施設の従業者の知識若しくは技能若しくは人員について第二十四条の十二第一項の厚生労働省令で定める基準に適合しておらず、又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定知的障害児施設等の設備及び運営に関する基準に従つて適正な指定知的障害児施設等の運営をしていないと認めるときは、当該指定知的障害児施設等の設置者に対し、期限を定めて、同条第一項の厚生労働省令で定める基準を遵守し、又は同条第二項の厚生労働省令で定める指定知的障害児施設等の設備及び運営に関する基準を遵守すべきことを勧告することができる。
 都道府県知事は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた指定知的障害児施設等の設置者が、同項の期限内にこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
 都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた指定知的障害児施設等の設置者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかつたときは、当該指定知的障害児施設等の設置者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
 都道府県知事は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公示しなければならない。
二十四条の十七 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定知的障害児施設等に係る第二十四条の二第一項の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる。
 指定知的障害児施設等の設置者又はその役員等が、第二十四条の九第二項第四号、第五号、第七号又は第九号のいずれかに該当するに至つたとき。
 指定知的障害児施設等の設置者が、第二十四条の十一第三項の規定に違反したと認められるとき。
 指定知的障害児施設等の設置者が、当該指定に係る施設の従業者の知識若しくは技能又は人員について、第二十四条の十二第一項の厚生労働省令で定める基準を満たすことができなくなつたとき。
 指定知的障害児施設等の設置者が、第二十四条の十二第二項の厚生労働省令で定める指定知的障害児施設等の設備及び運営に関する基準に従つて適正な指定知的障害児施設等の運営をすることができなくなつたとき。
 障害児施設給付費、特定入所障害児食費等給付費又は障害児施設医療費の請求に関し不正があつたとき。
 指定施設設置者等が、第二十四条の十五第一項の規定により報告又は帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
 指定施設設置者等が、第二十四条の十五第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定知的障害児施設等の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定知的障害児施設等の設置者又はその長が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
 指定知的障害児施設等の設置者が、不正の手段により第二十四条の二第一項の指定を受けたとき。
 前各号に掲げる場合のほか、指定知的障害児施設等の設置者が、この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
 前各号に掲げる場合のほか、指定知的障害児施設等の設置者が、障害児施設支援に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
十一  指定知的障害児施設等の設置者又はその役員等のうちに指定の取消し又は指定の全部若しくは一部の効力の停止をしようとするとき前五年以内に障害児施設支援に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるとき。
二十四条の十八 都道府県知事は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。
 第二十四条の二第一項の指定知的障害児施設等の指定をしたとき。
 第二十四条の十四の規定による指定知的障害児施設等の指定の辞退があつたとき。
 前条の規定により指定知的障害児施設等の指定を取り消したとき。
二十四条の十九 都道府県は、指定知的障害児施設等に関し必要な情報の提供を行うとともに、その利用に関し相談に応じ、及び助言を行わなければならない。
 都道府県は、障害児又は当該障害児の保護者から求めがあつたときは、指定知的障害児施設等の利用についてあつせん又は調整を行うとともに、必要に応じて、指定知的障害児施設等の設置者に対し、当該障害児の利用についての要請を行うものとする。
 指定知的障害児施設等の設置者は、前項のあつせん、調整及び要請に対し、できる限り協力しなければならない。
     第三款   障害児施設医療費の支給
二十四条の二十 都道府県は、施設給付決定に係る障害児が、給付決定期間内において、指定知的障害児施設等(病院その他厚生労働省令で定める施設に限る。以下この条、次条及び第二十四条の二十三において同じ。)から障害児施設支援のうち治療に係るもの(以下「障害児施設医療」という。)を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該障害児に係る施設給付決定保護者に対し、当該障害児施設医療に要した費用について、障害児施設医療費を支給する。
 障害児施設医療費の額は、次に掲げる額の合算額とする。
 当該障害児施設医療(食事療養(健康保険法(大正十一年法律第七十号)第六十三条第二項に規定する食事療養をいう。以下この項において同じ。)を除く。以下この号において同じ。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額の百分の九十に相当する額。ただし、当該施設給付決定保護者が同一の月における障害児施設医療に要した費用の額の合計額の百分の十に相当する額が、当該施設給付決定保護者の家計に与える影響その他の事情をしん酌して政令で定める額を超えるときは、当該障害児施設医療につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額の範囲内において政令で定めるところにより算定した額
 当該障害児施設医療(食事療養に限る。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、健康保険法第八十五条第二項に規定する標準負担額、施設給付決定保護者の所得の状況その他の事情を勘案して厚生労働大臣が定める額を控除した額
 前項に規定する療養に要する費用の額の算定方法の例によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの障害児施設医療に要する費用の額の算定方法は、厚生労働大臣の定めるところによる。
 施設給付決定に係る障害児が指定知的障害児施設等から障害児施設医療を受けたときは、都道府県は、当該障害児に係る施設給付決定保護者が当該指定知的障害児施設等に支払うべき当該障害児施設医療に要した費用について、障害児施設医療費として当該施設給付決定保護者に支給すべき額の限度において、当該施設給付決定保護者に代わり、当該指定知的障害児施設等に支払うことができる。
 前項の規定による支払があつたときは、当該施設給付決定保護者に対し障害児施設医療費の支給があつたものとみなす。
二十四条の二十一 第二十一条の規定は指定知的障害児施設等について、第二十一条の二及び第二十一条の三の規定は指定知的障害児施設等に対する障害児施設医療費の支給について準用する。この場合において、第二十一条中「前条第二項の医療」とあるのは「第二十四条の二十第一項に規定する障害児施設医療」と、第二十一条の二中「診療方針及び診療報酬」とあるのは「診療方針」と、第二十一条の三(第二項を除く。)中「診療報酬の」とあるのは「障害児施設医療費の」と読み替えるものとする。
二十四条の二十二 障害児施設医療費の支給は、当該障害の状態につき、健康保険法の規定による家族療養費その他の法令に基づく給付であつて政令で定めるもののうち障害児施設医療費の支給に相当するものを受けることができるときは政令で定める限度において、当該政令で定める給付以外の給付であつて国又は地方公共団体の負担において障害児施設医療費の支給に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。
二十四条の二十三 この款に定めるもののほか、障害児施設医療費の支給及び指定知的障害児施設等の障害児施設医療費の請求に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
 第三十四条の三第一項中「障害児相談支援事業及び児童自立生活援助事業(以下「障害児相談支援事業等」という。)」を「児童自立生活援助事業」に改め、同条第三項中「障害児相談支援事業等」を「児童自立生活援助事業」に改める。
 第三十四条の三の二を削る。
 第三十四条の四第一項及び第三十四条の五中「障害児相談支援事業等」を「児童自立生活援助事業」に改める。
 第三十四条の六中「障害児相談支援事業等」を「相談支援事業又は児童自立生活援助事業」に改める。
 第四十二条中「保護する」を「保護し、又は治療する」に改める。
 第四十三条の三中「肢体不自由児施設は、上肢、下肢又は体幹の機能の障害(以下「肢体不自由」という。)」を「肢体不自由児施設は、肢体不自由」に改める。
 第四十九条中「障害児相談支援事業等」を「児童自立生活援助事業」に改める。
 第五十条第五号中「第二十一条の九」を「第二十条」に改め、同条第五号の二中「第二十一条の九の六」を「第二十一条の五」に改め、同条第六号中「次条第三号」を「次条第二号」に改め、同条第六号の二中「次条第四号及び第四号の二」を「次条第三号及び第四号」に改め、同条第六号の三の次に次の一号を加える。
  の四 障害児施設給付費、高額障害児施設給付費若しくは特定入所障害児食費等給付費又は障害児施設医療費(以下「障害児施設給付費等」という。)の支給に要する費用
 第五十一条中第二号を削り、第三号を第二号とし、第四号を第三号とし、第四号の二を第四号とする。
 第五十二条中「知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設及び重症心身障害児施設(以下「知的障害児施設等」という。)」を「知的障害児施設等」に改める。
 第五十三条中「第二号(第二十一条の二十五第二項の措置に係る費用に限る。)、第四号」を「第三号」に改める。
 第五十三条の三を削る。
 第五十五条中「第五十一条第二号の費用(第二十一条の二十五第二項の措置に係る費用を除く。)並びに第五十一条第三号及び第四号の二」を「第五十一条第一号、第二号及び第四号」に改める。
 第五十六条第一項中「扶養義務者」の下に「(民法に定める扶養義務者をいう。以下同じ。)」を加え、同条第二項中「及び第六号の三から第七号の二まで」を「、第六号の三、第七号及び第七号の二」に、「第五十一条第一号に規定する費用(業者に委託しないで補装具の交付又は修理が行われた場合における当該措置に要する費用に限る。)並びに同条第二号及び第三号」を「第五十一条第一号及び第二号」に改め、同条第三項中「第五十一条第四号若しくは第四号の二」を「第五十一条第三号若しくは第四号」に改め、同条第五項中「第二十一条の九の六」を「第二十一条の五」に、「第七項」を「次項」に改め、同条第七項中「前二項」を「前項」に改め、「又は業者」及び「又は市町村」を削り、同条第八項中「又は第六項」を削り、「都道府県又は市町村」を「都道府県」に改め、「又は市町村長」を削り、同条第九項中「若しくは第六項」を削り、同条第十項及び第十一項中「第八項」を「第七項」に改め、同条第六項を削る。
 第五十六条の二第一項第二号中「基づく」の下に「障害児施設給付費の支給、」を加える。
 第五十六条の六第一項中「介護給付費等」の下に「、障害児施設給付費、高額障害児施設給付費又は特定入所障害児食費等給付費」を加え、「第二十一条の二十五」を「第二十一条の六」に改め、同条第二項中「障害児相談支援事業等」を「児童自立生活援助事業」に改める。
 第五十七条の二第二項中「この法律」を「前項に規定するもののほか、この法律」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
   障害児施設給付費等を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
 第五十七条の二を第五十七条の五とし、第五十七条の次に次の三条を加える。
五十七条の二 都道府県は、偽りその他不正の手段により障害児施設給付費等の支給を受けた者があるときは、その者から、その障害児施設給付費等の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
 都道府県は、指定知的障害児施設等が、偽りその他不正の行為により障害児施設給付費若しくは特定入所障害児食費等給付費又は障害児施設医療費の支給を受けたときは、当該指定知的障害児施設等に対し、その支払つた額につき返還させるほか、その返還させる額に百分の四十を乗じて得た額を支払わせることができる。
 前二項の規定による徴収金は、地方自治法第二百三十一条の三第三項に規定する法律で定める歳入とする。
五十七条の三 都道府県は、障害児施設給付費等の支給に関して必要があると認めるときは、障害児の保護者若しくは障害児の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらの者であつた者に対し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
 第二十四条の十五第二項の規定は前項の規定による質問について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。
五十七条の四 都道府県は、障害児施設給付費等の支給に関して必要があると認めるときは、障害児の保護者又は障害児の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者の資産又は収入の状況につき、官公署に対し必要な文書の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは障害児の保護者の雇用主その他の関係人に報告を求めることができる。
 第五十九条の五第一項中「第二十一条の九の五第一項」を「第二十一条の四第一項」に改める。
 第五十九条の七第二項ただし書中「第二十一条の二十七各号」を「第二十一条の九各号」に改める。
 第六十一条の三中「第二十一条の三十」を「第二十一条の十二」に改める。
 第六十二条第三号中「第二十一条の三十二第一項」を「第二十一条の十四第一項」に改め、同条中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。
 四  正当の理由がないのに、第二十四条の十五第一項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
 本則中第六十二条の二の次に次の一条を加える。
六十二条の三 都道府県は、条例で、次の各号のいずれかに該当する者に対し十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。
 第二十四条の四第二項の規定による施設受給者証の返還を求められてこれに応じない者
 正当の理由がないのに、第五十七条の三第一項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
 第六十三条の三の次に次の一条を加える。
六十三条の三の二 都道府県は、第二十四条の二第一項、第二十四条の六第一項、第二十四条の七第一項又は第二十四条の二十第一項の規定にかかわらず、当分の間、厚生労働省令で定める指定知的障害児施設等に入所等をした障害児(以下この項において「入所者」という。)について、引き続き指定施設支援を受けなければその福祉を損なうおそれがあると認めるときは、当該入所者が満十八歳に達した後においても、当該入所者からの申請により、当該入所者が社会生活に順応することができるようになるまで、厚生労働省令で定めるところにより、引き続き障害児施設給付費等を支給することができる。ただし、当該入所者が障害者自立支援法第五条第五項に規定する療養介護(以下「療養介護」という。)その他の支援を受けることができる場合は、この限りでない。
 都道府県は、第二十四条の二第一項、第二十四条の六第一項、第二十四条の七第一項又は第二十四条の二十第一項の規定にかかわらず、当分の間、重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している満十八歳以上の者について、重症心身障害児施設支援に係る指定施設支援を受けなければその福祉を損なうおそれがあると認めるときは、その者からの申請により、厚生労働省令で定めるところにより、重症心身障害児施設支援に係る障害児施設給付費等を支給することができる。ただし、その者が療養介護その他の支援を受けることができる場合は、この限りでない。
 前二項の規定により障害児施設給付費等を支給することができることとされた者については、その者を障害児又は障害児の保護者とみなして、第二十四条の二から第二十四条の七まで及び第二十四条の十九から第二十四条の二十二までの規定を適用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 第一項の場合においては、都道府県知事は、児童相談所長の意見を聴かなければならない。
 第六十三条の四中「同法第五条第一項に規定する身体障害者更生援護施設」を「障害者自立支援法第五条第十二項に規定する障害者支援施設(次条において「障害者支援施設」という。)」に、「障害者自立支援法第四条第一項」を「同法第四条第一項」に改める。
 第六十三条の五中「知的障害者福祉法第二十一条の六に規定する知的障害者更生施設、同法第二十一条の七に規定する知的障害者授産施設若しくは同法第二十一条の八に規定する知的障害者通勤寮」を「障害者支援施設」に、「同法第九条」を「知的障害者福祉法第九条」に改める。

  (児童福祉法の一部改正に伴う経過措置)

二十七条 施行日前に行われた附則第二十五条の規定による改正前の児童福祉法(次条及び附則第二十九条において「旧法」という。)第二十条第一項の規定による育成医療の給付又は育成医療に要する費用の支給については、なお従前の例による。

二十八条 施行日前に行われた旧法第二十一条の十第一項に規定する指定居宅支援に係る同項の規定による居宅生活支援費の支給については、なお従前の例による。
 施行日前に行われた旧法第二十一条の十二第一項に規定する基準該当居宅支援に係る同項の規定による特例居宅生活支援費の支給については、なお従前の例による。
 施行日前に行われた旧法第二十一条の二十五第一項の規定による行政措置に要する費用についての市町村の支弁及び本人又はその扶養義務者(民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者をいう。以下同じ。)からの費用の徴収については、なお従前の例による。

二十九条 施行日において現に旧法第二十一条の二十五第一項の規定による行政措置を受けて旧法第六条の二第一項に規定する児童居宅支援が提供されている障害児及び障害児の保護者は、政令で定めるところにより、施行日に、附則第二十五条の規定による改正後の児童福祉法(以下この条において「新法」という。)第二十一条の二十五第一項の規定による行政措置を受けて障害福祉サービスが提供されている障害児及び障害児の保護者とみなす。
 新法第五十三条及び第五十五条の規定は、施行日以後に行われる新法第二十一条の二十五第一項の規定による行政措置に要する費用について適用し、施行日前に行われた旧法第二十一条の二十五第一項の規定による行政措置に要する費用についての都道府県及び国庫の補助は、なお従前の例による。

三十条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日前に行われた附則第二十六条の規定による改正前の児童福祉法(以下この条から附則第三十三条までにおいて「旧法」という。)第二十一条の六第一項の規定による補装具の交付若しくは修理又は補装具の購入若しくは修理に要する費用の支給については、なお従前の例による。
 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日前に行われた旧法第二十一条の二十五の規定による行政措置に要する費用についての市町村の支弁並びに都道府県及び国庫の負担並びに当該費用についての本人又はその扶養義務者からの費用の徴収については、なお従前の例による。



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